工科系数学セミナー 統計学の基礎
統計学の基礎理論とそれにかかわる確率論を平易に解説。練習問題を豊富に掲載し,理解を深めることができる。テキスト・独習書として最適。
最近では,様々な統計用ソフトを使ってコンピュータで統計処理を行うのが普通になってきた。その際,次のような問題に直面することになろう。
1)結果の意味が解釈できるか,2)何をどのように処理したのか,3)その処理の方法が妥当である理論的根拠は何か,である。
‘1)がわかればよい,役に立てば理屈はいらない'というのも一つの態度であろう。その一方‘できれば2)と3)についても知りたい’と思うのも自然な感性である。けれども,そのためにはしっかりとした統計学の知識を必要とする。
本書の内容は統計学の基礎であり,2),3)にも答えられるような知識の形成の第一歩である。すなわち,‘基礎'とは次のような意味を含んでいる。
・実際のデータ処理を目的としているが,それらを保証する数理的な根拠を明瞭に述べた。
・大部の本になることを避けるため,等平均の検定やノン・パラメトリック検定などの多くの検定法を述べることはできなかった。
・けれども,種々の検定や分散分析などの多変量解析にスムーズに進めるように,そこで使われる標本分布論の諸結果(6章,6.3)や2変量正規分布(5 章,5.5.2)なども積極的にとりあげ,土台を固めた。
多くの命題の証明を省略したことが残念である。ページ数が増えることと,多変数関数の積分や行列論の知識を必要とすることがその理由である。とはいえ,証明を省略しても統計学の基礎は十分に培われると思う。授業時数や学生諸君の達成度に余裕があるならば,これらの証明は担当する先生方にお願いしたい。
1999年12月
著者しるす
最近では,様々な統計用ソフトを使ってコンピュータで統計処理を行うのが普通になってきた。その際,次のような問題に直面することになろう。
1)結果の意味が解釈できるか,2)何をどのように処理したのか,3)その処理の方法が妥当である理論的根拠は何か,である。
‘1)がわかればよい,役に立てば理屈はいらない'というのも一つの態度であろう。その一方‘できれば2)と3)についても知りたい’と思うのも自然な感性である。けれども,そのためにはしっかりとした統計学の知識を必要とする。
本書の内容は統計学の基礎であり,2),3)にも答えられるような知識の形成の第一歩である。すなわち,‘基礎'とは次のような意味を含んでいる。
・実際のデータ処理を目的としているが,それらを保証する数理的な根拠を明瞭に述べた。
・大部の本になることを避けるため,等平均の検定やノン・パラメトリック検定などの多くの検定法を述べることはできなかった。
・けれども,種々の検定や分散分析などの多変量解析にスムーズに進めるように,そこで使われる標本分布論の諸結果(6章,6.3)や2変量正規分布(5 章,5.5.2)なども積極的にとりあげ,土台を固めた。
多くの命題の証明を省略したことが残念である。ページ数が増えることと,多変数関数の積分や行列論の知識を必要とすることがその理由である。とはいえ,証明を省略しても統計学の基礎は十分に培われると思う。授業時数や学生諸君の達成度に余裕があるならば,これらの証明は担当する先生方にお願いしたい。
1999年12月
著者しるす
第0章 統計学とは
第1章 資料の整理1
第2章 資料の整理2
第3章 確率
第4章 確率変数
第5章 多次元の確率変数
第6章 標本のつくる分布
第7章 検定
第8章 区間推定
付録
第1章 資料の整理1
第2章 資料の整理2
第3章 確率
第4章 確率変数
第5章 多次元の確率変数
第6章 標本のつくる分布
第7章 検定
第8章 区間推定
付録