理工学講座 量子物理学入門 改訂版

物質工学を学ぶ人のために

理工学講座 量子物理学入門 改訂版
著者 青野 朋義
尾林 見郎
木下 彬
ジャンル 全て
自然科学
シリーズ 理工学講座
出版年月日 1995/03/01
ISBN 9784501614003
判型・ページ数 A5・318ページ
定価 3,630円(本体3,300円+税)
在庫 在庫あり

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◆出版局より追加の情報◆


 理工系大学の「物理学」に引き続き,二年次の物理の教科書として編集したものである。改訂にあたって,文章的な不備を修正した以外に,教科書として使いやすくするため,物理定数,数学的補遺を付録として付け加えた。

<まえがき>
 この本は,先に出版された“物理学”の後を引き継いで,理工系大学の二年次の物理の教科書として編集されたものである.量子力学の初歩的な概念と,応用として,固体物性の概略とを中心にまとめられている。
 固体物性を理解するには,量子力学的知識のほかに,統計力学の知識が要求される.固体の格子比熱にはフォノンの考え方が必要であるが,これは格子振動の量子化で,フォノンの集団的取扱いにはBose-Einstein統計が使われる.また,結晶中の電子集団の取扱いにはFermi-Dirac統計が必要である.これらの量子統計の話は1つ章にまとめられている.一方,これらの量子統計で古典近似をする場合がよくあるが,古典的なMaxwell-Boltzmann統計は,歴史的には19世紀後半の物理的産物で,20世紀になってから展開される量子論の前段階のものと考え,この本では最初の気体運動論の中で述べられる.また,真空中の電子の取扱い,例えばCompton効果の式では,Einsteinの相対論的な式がでてくるが,これらの理解を深める意味からも,相対論の話を1つの章にまとめて,前に置いた.量子力学と相対論とは現代物理学の根底でもある.
 量子物理学では,古典物理と違って,数式的表現が複雑となり,これが学生諸君にとって,現代物理学を理解するうえでの難点になっている.しかし,この本に盛られている程度の物理表現は,エレクトロニクスや新素材開発の技術者を目指す学生諸君にとって,是非とも理解して欲しい事柄である.著者等の貧しい記述を,意欲的な学習で補って,量子物理学への理解を願う者である.
平成元年4月
青野朋義

改訂にあたって
 この本が上梓されてから6年がたった.この間,使ってみて,小さな誤謬,表現上の不備が目につくようになったので,この際思い切って,改訂版をだすことに踏み切った.
 改訂にあたって,文章的な不備を多少修正した以外に,教科書として使いやすくするため,物理定数,数学的補遺を付録としてつけ加えた.校正も含めて,これらの作業は青野が行ったので,文章的なニュアンスが原著者の意にそぐわぬものとなったことを懼れる.
 理工系の学生に,量子力学の基礎概念を如何に平易に教えるかは,物理教育に携わる担当者の誰しも悩むところであろう.物語的な本は多数存在するが,教科書となると,数学的問題が入ってむずかしいものとなってしまう.その点,数年間この本を使ってみて,ある程度成功しているように思われる.
平成7年1月
青野朋義
第1章 気体の分子運動論
第2章 特殊相対性理論
第3章 電子の粒子性と波動性
第4章 量子効果の現れる実験例
第5章 不確定性原理
第6章 Schrdinger方程式
第7章 波動関数ψの形
第8章 物理量を求める方法
第9章 Schrdinger方程式の簡単なモデルへの応用
第10章 Schrdinger方程式の三次元化
第11章 水素原子
第12章 Pauliの原理
第13章 原子や電子集団の取扱い
第14章 量子論の応用例

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