ビル・ゲイツI

マイクロソフト帝国の誕生

ビル・ゲイツI

30歳半ばで世界一の長者となったビル・ゲイツ。彼の誕生から、マイクロソフトが上場し「帝国」と呼ばれるまでの時代を語る。

著者 脇 英世
ジャンル 情報・コンピュータ
出版年月日 2015/09/01
ISBN 9784501553609
判型・ページ数 4-6・496ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 在庫あり

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30歳半ばにして世界一の長者となったビル・ゲイツ。彼の誕生から、マイクロソフトが上場し「帝国」と呼ばれるまでになった時代を語る。さらに彼の人間関係や時代背景についても事細かに記述。

 ビル・ゲイツについては、私はいろいろな本を書いている。しかし、生まれたときから現在までの本は書いたことがない。すでに新たな資料もたくさん出ているので、従来と違った視点でビル・ゲイツについて考察を試みたいと思った。
 第一章「ビル・ゲイツの少年時代」では、ビル・ゲイツを生んだシアトルという地を詳しく調べてみた。シアトルには何十回も行っているが、残念ながらその完全な地図は私の頭の中にはなかった。シアトルに行くと、いつも誰かがマイクロソフトに連れて行ってくれたからである。これではいけないと歴史や地勢を一から勉強した。その結果、やっと私の頭の中にシアトルの地図ができ上がった。またビル・ゲイツとポール・アレンの家系については、詳しく調べ直した。
 第二章「ボストン、ハーバード、ハネウェル」では、新しい資料を使って、できる限り、正確な記述を心がけた。
 第三章「アルバカーキとMITS」と第四章「新しいヘッド・クオーター」では、ニューメキシコ州のアルバカーキに自分がいるつもりになって地勢を詳しく研究してみた。地図が頭の中に出来上がってくると、記述も具体的になってきたと思う。
 第五章「シアトル移転」については、オールド・ナショナル・バンクの所在がなかなか分らず苦労したが、分かると楽しくなった。西和彦氏については、ブログを拝見すると、今現在、自伝をまとめておられるようなので内容が抵触しないようにした。スティーブ・バルマーについては、新しい資料を盛り込んだ。
 第六章「巨人IBMのパソコン業界参入」では、ポール・フリードルとSCAMP、IBM5100シリーズとIBMシステム/23を盛り込んだ。
 第七章「CP/MとMS-DOS」では、ゲアリー・キルドールについて徹底的に調べてみた。またPL/MやCP/Mについては昔より資料が楽に入手しやすくなっているので、その結果が反映できるように配慮した。ジョン・スタインベックの小説の舞台に近いところに本拠地があったのには驚いた。
 第八章「MS-DOSの誕生」と第九章「新たな局面へ」では、新しい資料、特にMS-DOSのソース・コードが開示され読めるようになったので、それも多少反映させたいと思い、またデジタルリサーチに関連してゴードン・ユーバンクスやアラン・クーパー、マイクロソフトの新しい社員たちについては、これまであまり知られていない人達のことに紙数を費やした。
 第十章から第十二章は、チャールズ・シモニーの足跡をたどるという手法で、ゼロックス・パロアルト研究所(PARC)を紹介した。
 第十章「チャールズ・シモニー」では、チャールズ・シモニーだけでなく、バトラー・ランプソン、ピーター・ドイッチ、チャック・サッカーらを紹介した。
 第十一章「ゼロックスPARC」では、ロバート・テイラーとアラン・ケイとALTOを中心にしたが、ジョン・エレンビーとALTOⅡについても述べた。ALTOとALTOⅡの違いを押さえて頂ければ幸いである。
 第十二章「スモールトーク」は、ウィンドウズとの関係から特に重要である。アデル・ゴールドバーグ、ダン・インガルス、ロバート・メトカルフェについて述べたが、システムズ開発部門SDDと先進システム部門ASDについても述べた。チャールズ・シモニーがPARCを離れて、SDDとASDにいたことをしっかり押さえていただきたい。また、ノートテイカー、ドラド、ダンデリオン、STARの関係について理解していただければ、アップルのGUIやウィンドウズの理解が深まるだろう。
 第十三章「マイクロソフトのアプリケーション分野への進出」では、チャールズ・シモニーの提唱によるマイクロソフトのアプリケーション分野への進出について叙述している。MS-DOS上やウィンドウズ上のアプリケーションではマイクロソフトは一九九〇年頃まではどうしても勝てなかったこと、意外なことに勝利をもたらしたのはアップル・コンピュータのマッキントッシュ用アプリケーションであったことを示している。
 第十四章「ウィンドウズへの道」は、ウィンドウズがどのようにして生まれてきたかを追求している。ゼロックスのALTOのスモールトークの影響は大きいにしても、アップル・コンピュータのリサ(LISA)やマッキントッシュ(Macintosh)での開発努力は無視できない。マイクロソフトのウィンドウズ開発は、ゼロックスPARCのCSLから来たスコット・マクレガーの持ち込んだシーダー(Cedar)の影響は大きいものの、実際にはマイクロソフト・キッズのニール・コンゼンの努力も大きかったことも述べている。一九九〇年のウィンドウズ3.0までは、実はウィンドウズは苦難の道を歩んだことを述べた。
 第十五章「マイクロソフト帝国の確立」では、マイクロソフトの上場について述べている。また吝嗇と言われ、個人としてはお金には疎い感じを受けるビル・ゲイツの意外な一面を紹介している。
 本書は一気に読まなくても、興味のある章から読んで頂いて結構である。各章は独立して読めるように配慮してある。気楽な気持ちでどこからでもお読み頂ければ幸いである。また、図の内容は無理に理解しなくとも結構である。文字だけだと単調になるので、気分転換くらいのつもりでもかまわない。本当に理解するには工学部の上級年次くらいの学力を必要とするかもしれない。
 本書は続刊を予定しており、かなり完成しているが、もう少し資料をしっかり読みたいと考えているので、同時刊行は見送った。
 本書の成立に御努力頂いた東京電機大学出版局の石沢岳彦氏、小田俊子氏ならびに出版局の方々には深く感謝する。
 また、いつも励まし力づけてくれた家内と家族には厚く感謝する。

二〇一五年八月
脇 英世
第一章 ビル・ゲイツの少年時代
第二章 ボストン、ハーバード、ハネウェル
第三章 アルバカーキとMITS
第四章  新しいヘッド・クオーター
第五章 シアトル移転
第六章 巨人IBMのパソコン業界参入
第七章 CP/MとMS-DOS
第八章  MS-DOSの誕生
第九章 新たな局面へ
第十章 チャールズ・シモニー
第十一章 ゼロックスPARC
第十二章 スモールトーク
第十三章 マイクロソフトのアプリケーション分野への進出
第十四章 ウィンドウズへの道
第十五章 マイクロソフト帝国の確立

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