Javaで学ぶ数値解析

Javaで学ぶ数値解析
著者 和光システム研究所
ジャンル 全て
情報・コンピュータ
出版年月日 2005/04/01
ISBN 9784501539207
判型・ページ数 B5・264ページ
定価 3,300円(本体3,000円+税)
在庫 品切れ・重版未定

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初めて数値解析を学ぶ学生向けのテキスト

 本書の主な目的は二つあり,第一は数値解析をJavaで初めて学びたいという初学者に対する数値解析の解説であり,第二はすでにFortranその他の言語で数値解析を理解しているがJavaはとりつきにくいと感じている,数値解析の熟達者に対するJavaへの招待である.そこで,本書の読者層はいろいろ想定され,理工系の学部学生から,計算機を扱える研究者にまで,幅広くわたるであろう.著者は1960年代初頭より,数値計算を扱ってきたので,手続き型言語のFortran等による膨大なプログラムの蓄積を保存しており,このたび,それをJava言語に翻訳して解説する運びとなった.Javaはオブジェクト指向言語であるから,もちろんFortranからの一対一対応のある翻訳は不可能であるが,必要以上にオブジェクト指向言語固有のトリッキーな書き方は抑えて,Javaに書き直してある.実際の数値計算で大切なことは効率(計算の速さ)と精度である.しかし,この二つを強調しすぎると,解法のアルゴリズムが理解しにくくなる面もあるので,本書では,アルゴリズムを中心に述べ,必要に応じて,効率と精度について詳述している.
 本書の特徴は以下の2点である.第1点は,1980年代にグラフィックの国際規格として制定されたGKSの図形出力などの機能をJavaのグラフィックス機能を用いてクラス化し,それといくつかの追加機能を使って多くのプログラムの出力をグラフィック化したことである.このクラスパッケージmygksは,まだ改善の余地もあるので,β版として無償で提供することになった.特徴の第2点は,手続き型言語の副プログラム単位に相当する部分は,同じように独立なクラスの単位に収め,それを使うテストプログラムから独立させて,パッケージ化してあることである.さらに,目的に応じてテストプログラムの一つを少し変更するだけで期待するプログラムが書けるように心がけてある.また,ほとんどすべてのテストプログラムは,mygksのクラスを引用して図を表示するようになっているが,数値解析部分と表示部分はできるだけ切り分けて書かれているから,表示部分が不要の場合には簡単に削除することができる.
 このように,本書で描かれている図は,JavaのGKSタイプの図形出力クラスを使って描かれており,説明もJavaプログラムを使って書かれているが,数値解析の解説それ自体は,特に言語にしばられることはないので,ほかの言語でもGKSパッケージが使えれば,参考になるであろう.
 最後に,いろいろ重要な助言をいただいた,旧 図書館情報大学(現 筑波大学図書館情報専門学群)松本伸教授,時井真紀助手,卒業研究でともに学んだ多くの卒業生諸君に感謝いたします.また,東京電機大学出版局の松崎真理氏をはじめ,出版局の皆様に感謝いたします.
 2004年聖夜
 三軒茶屋にて  筆者


◆書籍関連情報◆


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第1章 数値解析と誤差
 1.1 打ち切り誤差
 1.2 刻み幅誤差
 1.3 桁落ち誤差
 1.4 漸化式で生じる桁落ち誤差(球ベッセル関数)
 1.5 丸め誤差
 1.6 計算の順序によって生じる誤差
 演習問題

第2章 ソート.マージ
 2.1 シャッフル
 2.2 最大値
 2.3 バブルソート
 2.4 櫛ソート
 2.5 選択ソート
 2.6 挿入ソート
 2.7 シェルソート
 2.8 クイックソート
 2.9 ヒープソート
 2.10 マージ
 2.11 マージソート
 演習問題

第3章 補間法
 3.1 ラグランジュの補間法
 3.2 ラグランジュ補間の汎用プログラム
 3.3 ニュートンの補間法
 3.4 エルミートの補間法
 3.5 スプライン補間
 演習問題

第4章 方程式の解法
 4.1 代数方程式
 4.2 2分法
 4.3 挟み撃ち法
 4.4 反復法
 4.5 逆2次関数法
 4.6 多数の解がある場合の汎用プログラム
 演習問題

第5章 数値積分法
 5.1 短形近似
 5.2 ニュートン・コーツ型積分
 5.3 ガウス型積分
 5.4 誤差の評価
 演習問題

第6章 常微分方程式の解法
 6.1 1階常微分方程式
 6.2 一段階法
 6.3 多段解法と予測子・修正子法
 6.4 高階常微分方程式(人口衛星の軌道計算)
 6.5 ルンゲ・クッタ・ジル法(水素原子の電子状態)
 演習問題

第7章 連立1次方程式の解法
 7.1 連立1次方程式
 7.2 行列式
 7.3 逆行列
 演習問題

第8章 関数近似と平滑化
 8.1 最小二乗法
 8.2 チェビシェフ多項式近似
 8.3 データの平滑化
 演習問題

第9章 固有値問題
 9.1 主軸問題
 9.2 固有値と固有ベクトル
 演習問題

第10章 フーリエ級数とフーリエ変換
 10.1 フーリエ級数
 10.2 フーリエ変換
 10.3 高速フーリエ変換(FFT)
 10.4 3次元極座標系におけるフーリエ変換
 10.5 畳み込みと畳み込み除去
 演習問題

第11章 乱数
 11.1 モンテカルロ法と積分
 11.2 関数型分布乱数
 11.3 シミュレーション
 演習問題

第12章 スプライン関数と作図
 12.1 切断べき関数
 12.2 Bスプライン
 12.3 リーゼンフェルトの作図
 演習問題

付録A FortranユーザをJavaにご招待
 A.1 FortranとJavaの実行
 A.2 入出力
 A.3 Fortranから見たJavaの主な相違点
 A.4 Mathクラスの主なメソッド
 A.5 アプリケーションとアプレット
 A.6 ライブラリパッケージの作り方と使い方
 A.7 インタフェースの使い方
付録B mygksメモ
付録C ソース&クラスリスト
あとがき
参考文献
索引

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