インターネットのためのAcrobat/PDF

Acrobat4技術詳述

インターネットのためのAcrobat/PDF
著者 トーマス・マーツ
広田 健一郎
ジャンル 全て
情報・コンピュータ
出版年月日 1999/05/01
ISBN 9784501530204
判型・ページ数 B5変・288ページ
定価 3,850円(本体3,500円+税)
在庫 品切れ・重版未定

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■はじめに
次に挙げる組織の共通点は? 国税庁,IBM,アンチマクドナルド・抗議の会,FBI,ロサンゼルス・タイムズ,結晶成長研究所。そう,いずれも,Acrobat文書でインターネットに情報を発信している組織である。本書の執筆中,私はよく,次のように言われたものだ。「インターネットのためのAcrobat活用法,ですか…何か特別書くことってありましたっけ?」。たしかに,Adobe AcrobatのPDFファイルをWebサーバに載せるときの手軽さは,HTMLやテキストやマルチメディアのファイルを載せるときと変わりない。 Acrobatをインターネットで活用するにはさまざまな方法があるから,それはこの本でもきちんと述べていく。
 だがこれ以外にも,書くことはちゃんとあるのだ。文書をPDF形式に変換したとき,後から何か編集を加えなくてはならないのか? それとも変換前に,リンクその他のハイパーテキスト要素を組み込んでおけるのか? 分野によっては,それがかなり重大な意味あいを持つ場合も多いのである。ここで,pdfmarkオペレータが大変役に立つ。本書は,このpdfmarkオペレータを解説した初めての書籍である。具体例もたくさん併載してある。ただし,プログラミングの知識はほとんど必要ない。
 Acrobatにはもう1つ,見すごされがちな機能がある。それは,Acrobat 3.0で登場した豊富なフォーム機能だ。Adobeは,AcrobatにJavaScriptプログラミング言語を組み込んで,このフォーム機能をさらに柔軟で便利なものにした。このホットな新機能を使えば,企業内のイントラネットでも,世界大のインターネットでも,Acrobatをもっとずっと効率的に利用することができるのだ。
 そしてAcrobat 4では,インターネット利用がブラウザからAcrobatそのものに移行している。Acrobat Web CaptureをWebブラウザのかわりに使って,Webサイト全体をPDFファイルとして保存することができるのである。
● 本書の対象読者と構成
 この本では,インターネットのためのAcrobat活用に役立つ最新技術を,大きな視野ですべてカバーすることを試みている。もちろん,さまざまな言語やインタフェースをすべて網羅することなど,できるはずもない。CGI,JavaScript,VBScript,ASP(Active Server Pages)…ちょっと挙げてみただけでもこんなにあるのだから。本書の執筆の重点は,初心者にはすぐ使える具体例を紹介し,熟練の開発者にはさらなるプログラミング意欲をかきたたせることに置かれている。
 この本は,内容を利用しやすいよう,3つの部に分けてある。それぞれの部は,「Acrobatとインターネット」という本書のテーマを,読み手の興味範囲に応じて異なる視点から見たものとなっている。このように,技術項目で分けるのではなく,読み手の必要本位に構成したことによって,本書がぐっと便利になっていれば幸いである。
 第1部では,情報利用者(Webサーファー)の視点から,文書形式としてのPDFとHTMLを簡単に比較し,両形式の組み合わせを論じる。 Acrobat 4のWeb Captureについては,この第1部の3章で紹介する。 第2部では,情報発信者(パブリッシャー)の視点から,PDF文書の作り方を考える。本書で「情報発信者」とは,執筆者,翻訳者,技術編集者,グラフィックデザイナーなど,情報発信のために文書を作る人すべてを指すものとする。最新のDTP技術に関する基礎知識を前提とした内容である。また,Web ブラウザを見慣れた読み手が対象だ。ここでは,Acrobatの基本機能を簡単に,かつ包括的に解説する。そして,スクリプトのプログラミングへも脱線していく。この脱線では,もっと知りたいと感じる読み手もいるだろうし,プログラミングなんておもしろくないというこれまでの想いを,さらに強くする読み手もいるだろう。
 第3部では,管理者(Webマスター)の視点から,本書のテーマに立ち向かってみる。管理者とは,Webサーバを運用する役目を持った人のことである。第2部で述べた項目のうち,いくつかを再度取り上げて,より詳しく論じる。CGIインタフェースや,ASP(Active Server Pages)の実装や,Cやスクリプトのプログラミングについても述べる。そのため,さらに深い基礎知識が前提となるが,管理者にとっては難なく理解できる内容のはずだ。また情報発信者にとっても,サーバ上でいろいろな物がどんなふうに相互作用しているのかをざっと知ることができるという意味で,ここは有益であろう。
● ヘルパーアプリケーションたち
 本書の執筆を,それぞれいろいろなやり方で支えてくださったすべての人に,心からの感謝をささげたい。Katja Karsunkeは,いつだって物事のやり方を知っている。誤字脱字のやっつけ方から,壊れたISDN機器の直し方まで。バルコニーの植物の世話から,ソフトウェアのインストールまで。Allesio Leonardiは,慢性的に働きすぎなのに,どこまでも根気をなくさずに,いつでも喜んで私の話に耳を傾けてくれる。そのフレンドリーな協同作業に,感謝したい(そして,ワインとパスタの分野における助力にも)。Margit Mullerは,印刷技術の経験が豊富で,おかげで私はずいぶん助かった。そのうえ女史は,重要なことを語り合える人である。そう,ダイビングと旅のことを。 私の本の中身をチェックしてくれる,無私で誠実な人たちは,デッドラインが不当にギリギリでも,決して投げ出そうとはしない。本書のクオリティは,この人たちに多くを負っているのだ。オリジナルのドイツ語版は,次の方々に内容をチェックしていただいた。Detlev Droege(コブレンツ大学)は,PDF形式について,まるで自分のたなごころを指すように知りつくしている。Alexander Gabrielの,電子メールでの修正は驚異の速さでやって来た。Dieter Gust(技術文献研究所,ミュンヘン)は,いつも技術資料(や顧客)と取っ組んで疲れているのに,専門家としてのディスカッションをする時間を必ずとってくれた。Michael Heinzelは,内容チェックを先延ばししようとはしなかった。そう,たとえチンクエテッレにいる時でも。Tobias Hollrich(Adobe Systems,サンノゼ)は,休暇でレイクタホに行っている間も,仕事を続けてくれた(Candice,ごめん!)。Peter Korner(Adobe Systems,ミュンヘン)の,パーソナルな関与支援に感謝したい。Thomas Muller(デュッセルドルフ)は,時代遅れの紙のプリントアウトに甘んじなければならなかった。Frank Schumacher,ベルリンから来たパテントホルダーは。さまざまなつまづきにもかかわらず,がんばって資料と戦ってくれた。
情報利用者の視点
1 HTMLとPDF
2 PDFをブラウザで見る
3 Acrobat Web Capture
4 PDF文書の計画
5 PDFファイルを作る
6 アプリケーションのPDFへの対応
7 pdfmark入門
8 PDFフォーム
9 PDFをHTMLページに載せる

管理者の視点
10 PDFをWebサーバに載せる
11 フォームデータ処理
12 全文テキスト抽出とサーチエンジン
13 ダイナミックPDF

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