モデリングとフィードバック制御

動的システムの解析

モデリングとフィードバック制御
著者 古田 勝久
畠山 省四朗
野中 謙一郎
ジャンル 全て
電子・通信
出版年月日 2001/05/01
ISBN 9784501321901
判型・ページ数 A5・232ページ
定価 3,080円(本体2,800円+税)
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

機械,電気を問わず数学・モデリング理解に最適

 ある現象を理解するということは,その挙動を頭の中にモデリング出来るということである。例えばニュートンの微分方程式によるモデリングは,天文学のみならず,物理全般に大きな進展をもたらした。工学分野での微分方程式による表現は,それを応用して望ましい挙動システムを作り上げるためにも必要であり,それは機械系,電気系を問わず基礎になる知識である。本書はその基礎的教科書として,工学部1・2年生の数学・モデリング授業のために編まれたものである。


 われわれが,ある現象を理解するとは,その現象がどのような場合に起きるか,時間の経過とともにどのような挙動をするか知ることではないだろうか.このような理解は,その現象のモデルを頭の中に作り上げることによって行われる.モデルは,「ある現象があれば,このように現象が続く」といったデータの集りで記述することもできるであろう.このような表現は簡単ではない.天文学を取り上げると,衛星の挙動ははじめデータで表現されていたが,ケプラーによる面積速度一定の法則により,その挙動の定量的な表現が進んだ.さらにニュートンによる引力の表現と微分方程式により,衛星の挙動が簡単に表現されるようになったばかりか,他の動的な現象の理解までできるようになったことがよく知られている.微分方程式が動的な現象の理解に有効なことは言うまでもない.
 工学において取り扱わなくてはならない動的な現象を,微分方程式により表現することは,この現象の理解ばかりか,望ましい挙動をするシステムを作り上げるためにも有効である.この本は,簡単な要素の動的な挙動を理解し表現する手法と,要素の集りによって構成されるシステムの挙動の表現法にらいて述べている。このような動的なシステムを取り扱う工学は,制御工学,システム工学をはじめとして多くある.
 本書は6章で構成され,第1章「動的システムとモデリング」では,モデリングとは,抽象化による現象の理解の基礎であることと,微分方程式のような道具を使うことによる有効性,そしてある現象のモデルを使って理解すると,別の現象も理解するのに有効であることを述べる.第2章「システムのモデリング」では,機械系,電気系を微分方程式で表現することによるモデルを作る方法を示し,・それが工学の基礎となることを示す.第3章「線形システムの解析」では,線形システムの動的な挙動の解析に有効であるラプラス変換と,それらが組み合わされたシステムの取り扱いを書いている.第4章「時間応答と周波数応答」では,線形システムの動的な挙動である時間応答と周波数応答を述べている.
 この本は,動的なシステムを取り扱う工学の基礎として書いたものであり,工学部1,2年生のための数学,あるいはモデリングの授業の教科書として有用と考えている.本来は,東京工業大学制御工学科の動的システム論のために準備したものであり,書くにあたりLATEXの原稿入力にお手伝いいただいた栗田詠里子さん,原稿を読みタイプミスその他を御指摘下さった東京電機大学の杉木昭彦さんに感謝いたします.また,本書出版を企画された東京電機大学出版局に御礼申し上げます.

2001年4月2日
埼玉県鳩山の東京電機大学にて著者を代表して
古田勝久
第1章 動的システムとモデリング
第2章 システムのモデリング
第3章 線形システムの解析
第4章 時間応答と周波数特性
第5章 安定性とロバスト安定性
第6章 フィードバック制御系
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