ビギナーズ デジタルフィルタ

ビギナーズ デジタルフィルタ
著者 中村 尚五
ジャンル 全て
電子・通信
出版年月日 1989/11/01
ISBN 9784501313500
判型・ページ数 A5・192ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

デジタルフィルタの原理を理解し,応用できるように具体的な計測システムの例をあげ,ソフトウェアとハードウェアを含め解説した。

<まえがき>
 フィルタは伝送回路や計算システムなどで古くから使われている技術である。抵抗R,コンデンサC,コイルLのみを用いるパッシブフィルタや水晶振動子などを用いるメカニカルフィルタを扱った経験のある読者も多いことであろう.その後IC化されたオペアンプの出現でL,C,Rで構成されていたフィルタがC,Rで構成できるようになり,アクティブフィルタとして広く使われてきた。
 最近では,LSI技術の発展とともにデジタル的に信号を扱う技術がめざましく発達し,今や,アナログフィルタもデジタルフィルタに置き換えられつつある.画像処理,音声・オーディオ,計測など多くの分野でデジタルフィルタという言葉が聞かれるようになった.
 今後ますますデジタル化の傾向が進行することは明らかであり,デジタルテクノロジーが多くの技術者のバックグラウンドとして要求されることも,ごく自然の流れである。
 このようなニーズを受けすでに多くのデジタルフィルタを解説した書物が出版されている.が,多くはアルゴリズムを中心に解説され数式の展開に終始する場合が多い.これは基本的にはフィルタがアルゴリズムの技術であるところからやむをえないともいえるが,数式に惑わされてその概念を見い出すことができないのはいかにも残念である.
 このような事情から,本書は現象の理解と数式のていねいな展開にポイントを絞り,やさしく解説するように努めた.少しでもわかりにくいと思われる点は,サイドノートを活用して補足説明を付けるようにした.また,読者が実用的なレベルのデジタルフィルタを設計できることを目標とした.そのため実際のシステムや具体的なハードウェアの例を示した.
 パーソナルコンピュータを利用できる読者には,デジタルフィルタの処理の例をステップごとに理解できるようにインタープリタのBASICプログラムで解説した.読者自らがプログラムを適当に変更し,それを試すことによりさらに理解を深めることを期待したい.実用レベルに達すればコンパイラやアセンブラへ展開するのは容易なことである.
 また,“わかりやすく”をモットーに解説したつもりであるが,書き上げてみると筆者の浅学のため,なかなか意図したとおりにいかなかった部分も多い.読者のご意見,ご批判を賜れば幸いである.
 終わりに本書を執筆するにあたり,大変お世話になった東京電機大学出版局の植村八潮氏に深く感謝します.
1989年10月
著者しるす


◆正誤表◆


正誤表〔第1版17刷〕のダウンロード
序章 デジタルフィルタとは
第1章 簡単なデジタルフィルタ
第2章 Z変換と線形フィルタ
第3章 FIRデジタルフィルタの設計
第4章 IIRフィルタの設計
第5章 デジタルフィルタのハードウェア
第6章 簡単なデジタルフィルタの応用

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