新エネルギーの技術

再生可能エネルギー大量導入社会の実現に向けて

新エネルギーの技術

発電・送電・蓄電の3分野の次世代技術について、その特徴や世界の最新技術動向を詳解。

著者 西川 尚男
ジャンル 全て
電気
出版年月日 2013/09/01
ISBN 9784501116507
判型・ページ数 A5・250ページ
定価 3,080円(本体2,800円+税)
在庫 在庫あり

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発電・送電・蓄電の3分野の次世代技術について、その特徴や世界の最新技術動向を詳しく解説。太陽光・風力・バイオマス・地熱・海洋発電の仕組みがわかる。今後の電力業界を担う学生に是非読んでいただきたいおすすめのテキスト。

 現在世界各地で,異常気象現象が発生し災害が多発している。これは産業革命以来,人類が大量に化石燃料を消費し,CO2ガス(炭酸ガス)を排出させた結果,その排出量が地球上の森林や海洋によるCO2吸収量を大きく上回り,CO2濃度が上昇して地球の温暖化が着実に進行していることによる。
 世界の首脳が集まるG8(主要8か国首脳会議,G:Group)あるいは開発途上国を含めたG20でCO2排出量の抑制について協議されているが,各国の利害が絡み,なかなか足並みがそろっていない。
 今後,人類が将来とも長くこの地球上に生存していくためには,CO2の排出量を抑制する考え方を共有し,ともにCO2ガス排出量を削減していくことが必要である。
 エネルギー・環境問題は人類共通のテーマであり,CO2排出削減技術は多岐にわたった技術である。これからの日本を背負っていく若い人達が,日本の強みである省エネルギー技術,高効率発電技術,電力・水素運用技術等を発展させ,日本はもとより世界に貢献することを期待して,本書『新エネルギーの技術 ― 再生可能エネルギー大量導入社会の実現に向けて』を教科書としてとりまとめた次第である。したがって,本書の前半部分はCO2削減の主要技術である「省エネルギー技術」,「再生可能エネルギー」,「原子力発電技術」,「低炭素燃料適用技術」,「CO2の回収・貯留技術」を,後半部分は今後予想される再生可能エネルギー大量導入時の電力系統への影響を中心に「電力系統のスマートグリッド化」,「電力貯蔵」,「水素利用」,「燃料電池」に関連した技術内容を示した。
 これまで我が国はエネルギー政策を原子力発電の普及に大きく依存しようとしていたが,2011年3月11日の東電福島第1原子力発電所の大事故により,原子力発電に関する安全についての議論が高まり,政府は新たに安全性を重視したエネルギー基本計画を新しく策定しようとしている。
 自然に満ちた住みよい地球を後世に引き継ぐため,若い人達がエネルギー・環境問題に関心をもち,今後予想される各種問題に対し英知を結集して解決していくことを切に希望する。
 執筆にあたっては,国内外の文献を多数引用させていただいた。関係者の方々に感謝申し上げる。

2013年4月
西川尚男
第1部 化石燃料大量消費社会における地球温暖化の抑制
 第1章 化石燃料大量消費社会における我が国のエネルギー政策
 第2章 化石燃料大量使用による地球温暖化の進行とCO2排出量削減施策
 第3章 省エネルギー技術
  3.1 家庭部門の省エネルギー技術
  3.2 民生部門の省エネルギー技術
  3.3 運輸部門の省エネルギー技術
  3.4 電力部門の省エネルギー技術
  3.5 産業部門の省エネルギー技術
 第4章 再生可能エネルギー技術
  4.1 太陽エネルギーの発電技術
  4.2 風力発電技術
  4.3 バイオマス利用技術
  4.4 地熱発電技術
  4.5 海洋エネルギー発電技術
  4.6 熱電発電技術
 第5章 原子力発電技術
  5.1 原子力発電の種類
  5.2 核燃料サイクルと放射性廃棄物の処理
  5.3 原子力発電の今後
 第6章 炭素分の少ない燃料の適用技術
  6.1 LNGの特徴と製造方法
  6.2 LNGの適用
 第7章 CO2の回収・貯留技術
  7.1 CO2の分離・回収方法
  7.2 地中貯留方法
  7.3 CCS技術によるCO2地中貯留の潜在量
 第8章 我が国のCO2排出量削減施策と世界のCO2排出量削減に向けた海外支援活動
  8.1 我が国のCO2削減施策とその評価
  8.2 世界のCO2削減施策に向けた海外支援活動
第2部 再生可能エネルギーの大量導入社会に向けて
 第9章 再生可能エネルギーの大量導入社会
  9.1 再生可能エネルギー導入の電力系統への影響
  9.2 電力系統のスマートグリッド化
  9.3 再生可能エネルギー利用による水素社会の実現に向けて
 第10章 電力貯蔵技術
  10.1 蓄電池による電力貯蔵
  10.2 揚水発電の利用
  10.3 電気分解による水素製造とその利用
  10.4 フライホイールによる電力貯蔵
  10.5 圧縮空気貯蔵
  10.6 超電導コイルによるエネルギー貯蔵
 第11章 水素エネルギー技術
  11.1 水素の製造
  11.2 水素の貯蔵
  11.3 水素の輸送
  11.4 水素利用社会
 第12章 燃料電池技術
  12.1 固体高分子形燃料電池(PEFC)
  12.2 リン酸形燃料電池(PAFC)
  12.3 溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)
  12.4 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
  12.5 再生型燃料電池
付録
あとがき
索引

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