初めて学ぶ 基礎 制御工学 第2版
制御工学をわかりやすく解説.教科書採用多数
初めて制御工学を学ぶ人を対象に書かれた「計測と制御の関係」「制御とは何か」メカトロニクスとは」というような疑問に答えるものである。
また制御の基本・基礎事項について間口を広げず,わかりやすく解説し,各章末に問題を添付しているので制御工学を学ぶ初学者には最適な一冊である。
尚,本書は,1994年3月に出版し2000年2月に7刷まで重ねてきた初版を今回新たに見直して,第2版として発行するものである。
制御技術は,航空機や船舶などの乗り物,製造業の機械装置,プロセス工場の自動化設備など,社会や産業から家庭用の電気製品にいたるまであらゆる分野に導入され実用化されている。制御技術には必ず測る,つまり計測技術が伴う。したがって,制御といってもそこに計測が伴わなければ制御は不可能である。こうした計測・制御技術が応用されていない機械装置や工業製品を見いだすことは困難であるといっても過言ではない。現在の一般家庭ではクーラー,冷蔵庫,掃除機,時計,オーディオ製品などの家庭用電気製品に加え,乗用車がごく普通に使用されている。こうした製品や機器には大小様々のモータが使用され,その数を数えると50個?100個にはなるであろう。それらモータの駆動には必ずといってよいほどに計測・制御技術が応用され,その技術は機器使用の便利さと省エネルギーの追求に役立てられている。
高度な制御工学や制御応用技術の基礎は古典的な制御理論にある。その古典制御理論の理解なくして現代制御理論,デジタル制御理論,システム理論,ファジイ制御理論などの近代制御理論は理解しがたい。
初めて制御工学を学ぶ人は,「フィードバック制御」とは何か,「ラプラス変換」とはどのような変換か,「ラプラス変換」と「ブロック線図」の関係は何か,ステップ応答,インパルス応答という場合の「ステップとかインパルス」とは何か,「周波数応答」の周波数による応答とはどのようなことか,「ボード線図」や「ナイキスト線図」は描けるがそれが何のために役に立つのか,「機械装置に制御を導入するとどのような利益があるのか」……というような学習上の壁や疑問にぶつかり,その理解に苦しむことが多いのではなかろうか。
最初に手にした書物が難解であると,その分野の学問に入りにくいとよく言われる。本書は,初めて制御工学を学ぶ人を対象に書かれ,「計測と制御の関係」,「制御とは何か」,「メカトロニクスとは」というような疑問に答えるものである。
「なぜ」という疑問が解決したところで理論的な解析・設計を学ぶことは,それなりの意義があるし、やる気も起こる。各章末の問題は決して難しいものではない。読者自ら問題に挑戦し、さらに高度な制御工学を学んでいきたい。
初学者が本書を頼りに勉学すれば、制御についての最小限のことがらが理解でき,その確信が得られることを努力目標として本書は書かれたものである。制御工学は,機械 電気・通信,数学,情報,コンピュータなど広い分野にわたる学問である。本書は,制御の基本・基礎事項について間口を広げず,わかりやすく 解説し,考え方に重点を置いたつもりである。わかりやすくすることに主眼をおいたために,少々くどいところもあることをお許し願いたい。
本書を手にした最初に,第1章をぜひ読んで頂くことをお願いする。その理由は,制御とは,なにもロボットや機械を自動的に動かす技術だけではないことがわかるからである。さらに,人間の行動,動作をはじめ政治,経済,教育までもが制御であることがわかり,制御なくしてこの世の中は成り立たないことも理解できるからである。大学,短大,工業高等専門学校などで教科書として使われる場合には,学生に対し第1章をまず読んでもらい,その感想を書いてもらうことをおすすめする。それによって,学生は・自分自身が制御系であることを理解できる。そして,その制御がうまく行われているならば自身の学業成績にもよい効果が反映することもわかる。 本書を出版するにあたり,東京電機大学出版局の岩下行徳氏には大変お世話になった。心よりお礼申し上げる。
1994年3月 森政弘 小川鑛一
初めて制御工学を学ぶ人を対象に書かれた「計測と制御の関係」「制御とは何か」メカトロニクスとは」というような疑問に答えるものである。
また制御の基本・基礎事項について間口を広げず,わかりやすく解説し,各章末に問題を添付しているので制御工学を学ぶ初学者には最適な一冊である。
尚,本書は,1994年3月に出版し2000年2月に7刷まで重ねてきた初版を今回新たに見直して,第2版として発行するものである。
制御技術は,航空機や船舶などの乗り物,製造業の機械装置,プロセス工場の自動化設備など,社会や産業から家庭用の電気製品にいたるまであらゆる分野に導入され実用化されている。制御技術には必ず測る,つまり計測技術が伴う。したがって,制御といってもそこに計測が伴わなければ制御は不可能である。こうした計測・制御技術が応用されていない機械装置や工業製品を見いだすことは困難であるといっても過言ではない。現在の一般家庭ではクーラー,冷蔵庫,掃除機,時計,オーディオ製品などの家庭用電気製品に加え,乗用車がごく普通に使用されている。こうした製品や機器には大小様々のモータが使用され,その数を数えると50個?100個にはなるであろう。それらモータの駆動には必ずといってよいほどに計測・制御技術が応用され,その技術は機器使用の便利さと省エネルギーの追求に役立てられている。
高度な制御工学や制御応用技術の基礎は古典的な制御理論にある。その古典制御理論の理解なくして現代制御理論,デジタル制御理論,システム理論,ファジイ制御理論などの近代制御理論は理解しがたい。
初めて制御工学を学ぶ人は,「フィードバック制御」とは何か,「ラプラス変換」とはどのような変換か,「ラプラス変換」と「ブロック線図」の関係は何か,ステップ応答,インパルス応答という場合の「ステップとかインパルス」とは何か,「周波数応答」の周波数による応答とはどのようなことか,「ボード線図」や「ナイキスト線図」は描けるがそれが何のために役に立つのか,「機械装置に制御を導入するとどのような利益があるのか」……というような学習上の壁や疑問にぶつかり,その理解に苦しむことが多いのではなかろうか。
最初に手にした書物が難解であると,その分野の学問に入りにくいとよく言われる。本書は,初めて制御工学を学ぶ人を対象に書かれ,「計測と制御の関係」,「制御とは何か」,「メカトロニクスとは」というような疑問に答えるものである。
「なぜ」という疑問が解決したところで理論的な解析・設計を学ぶことは,それなりの意義があるし、やる気も起こる。各章末の問題は決して難しいものではない。読者自ら問題に挑戦し、さらに高度な制御工学を学んでいきたい。
初学者が本書を頼りに勉学すれば、制御についての最小限のことがらが理解でき,その確信が得られることを努力目標として本書は書かれたものである。制御工学は,機械 電気・通信,数学,情報,コンピュータなど広い分野にわたる学問である。本書は,制御の基本・基礎事項について間口を広げず,わかりやすく 解説し,考え方に重点を置いたつもりである。わかりやすくすることに主眼をおいたために,少々くどいところもあることをお許し願いたい。
本書を手にした最初に,第1章をぜひ読んで頂くことをお願いする。その理由は,制御とは,なにもロボットや機械を自動的に動かす技術だけではないことがわかるからである。さらに,人間の行動,動作をはじめ政治,経済,教育までもが制御であることがわかり,制御なくしてこの世の中は成り立たないことも理解できるからである。大学,短大,工業高等専門学校などで教科書として使われる場合には,学生に対し第1章をまず読んでもらい,その感想を書いてもらうことをおすすめする。それによって,学生は・自分自身が制御系であることを理解できる。そして,その制御がうまく行われているならば自身の学業成績にもよい効果が反映することもわかる。 本書を出版するにあたり,東京電機大学出版局の岩下行徳氏には大変お世話になった。心よりお礼申し上げる。
1994年3月 森政弘 小川鑛一
第1章 人間・機械と制御
第2章 機械制御とプロセス制御
第3章 制御系の数学的記述
第4章 制御系の時間応答
第5章 制御系の周波数応答
第6章 制御系の特性改善
第7章 線図による安定判別とラウスの安定判別法
第8章 メカトロニクス
参考文献
演習問題の答
第2章 機械制御とプロセス制御
第3章 制御系の数学的記述
第4章 制御系の時間応答
第5章 制御系の周波数応答
第6章 制御系の特性改善
第7章 線図による安定判別とラウスの安定判別法
第8章 メカトロニクス
参考文献
演習問題の答