送配電 新訂版

送配電 新訂版
著者 前川 幸一郎
荒井 聰明
ジャンル 全て
電気
出版年月日 1987/03/01
ISBN 9784501102401
判型・ページ数 A5・304ページ
定価 3,520円(本体3,200円+税)
在庫 在庫あり

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工専・短大の教科書および中堅技術者の研究書。今回,内容を全面的に見直し大幅に改訂。

<まえがき>
 著者はさきに,大学において1年半,6単位で送電工学の講義をするために,「送電工学講義」という本を書いた。その後,大学院において,4単位で電力工学特論を講義するために,「電力系統の保安保護セミナー」という本を書いた。
 さてこのたびは,送配電工学を4単位で講義するための教科書として,本書「送配電」を書いたのである。配電の領域は,配電用変電所から需要家に至るまでの線路であるから,これは直接需要家につながる。したがって,配電工学では需要家に対するサービスの向上ということに,重点をおかなければならない。良質の電気を不断に供給することが,とりわけ肝要である。
 また配電事業は,線路や施設物がわれわれの身近かにあるので,人畜に対する保安,危険防止ということが大切である。このために,配電事業は電気設備技術基準なる法規によって,厳重なる取締りを受けているのである。
 これに対し,送電の領域は発電所から,最後の配電用変電所に至るまでの線路であって,ここでは大量の電力が送られているから,もしもここに事故を起こして,送電を停めるようなことがあると,蒙むる被害は甚大である。電力はすべての産業の基幹となるものだから,これが停まったとなると,このために生ずる災害は測り知れないものがある。
 それだから,送電事業は安定堅固ということが,第一に重視されなければならない。送電線路は経過地が長いのだから,いろいろの原因で事故も起ころう。それは致し方のないことである。しかし,これをば保安保護装置をもって,うまく処理し,送電を停めないようにしなければならない。
 本書では,配電と送電のわり振りは1:2の比率で書いてある。そうして講義の順序は,身近かの配電から初めたほうが,学生にとってわかりやすいと思われたので,配電を第1編とし,送電をあとにまわして第2編とした。4単位で送配電を講義するための教科書として,本書は記述されている。
1967年2月
著 者 記

改訂について
 日本の経済は,昭和30年頃から40年代の中頃まで,著しい成長を遂げた。それにともなって電力需要も著しく伸びたが,しかし,エネルギーを石油に依存し,その供給を全面的に海外に依存しているわが国は,昭和40年代後半および50年代初めの第一次,第二次石油危機により,エネルギー需給に大きな打撃を受けた。その後,わが国のエネルギー源およびその供給源の多様化,分散化を計り,また省エネルギーなどの対策が効を奏して,諸外国に先がけて奇跡的な早さで経済の回復を達成した。
 このような世界的なエネルギー問題の激動の中で,電力の分野でも多くの変革や進展があった。発電では,石油火力発電に代わって原子力発電、天然ガス(LNG)火力発電、石炭火力発電,地熱発電などによる電力供給が,次第に大きな割合を占めるようになってきた。送電では,昭和48年に500kV送電が開始されて以来,現在,500kV送電線の全国の総こう長は約3600kmに達している。全国規模で電力の円滑な融通を計る広域運営の目的で,全国の電力系統を連系するため佐久間周波数変電所に加えて新信濃周波数変換所が運転を開始した。さらに,北海道と本州を結ぶわが国初の本格的直流送電が始まった。配電では,昭和40年代の前半までに配電電圧が3.3kVから6.6kVへの格上げがほぼ完了した。また,超高層ビルや大型デパートなど大口需要家に対しては,20kV級配電が行われるようになってきた。最近では,配電の自動化や地中化が次第に進行している。電力用の機器や器具の開発も多方面にわたり,特に,エレクトロニクス技術や電子計算機を応用した計測・制御は,電力系統の運営にはなくてはならぬものとなっている。
 本書が執筆されてから20年が経過し,その間における発電や送配電の進歩・発展は目覚しいものがある。この技術の動向に合わせるため本書の改訂を行った。講義時間との関係を配慮して,内容を精選するとともに,重要な内容については,基本から詳しく説明することとした。また,できるだけ最近の技術を盛り込むこととした。
 本書の改訂に当たり,多大なご尽力をいただいた本学出版局岩下行徳氏、宮崎康子さんに感謝申し上げる。
1987年3月
著者しるす
第1編 配電
 第1章 配電方式
 第2章 配電線路の計画
 第3章 配電線路の計算
 第4章 配電線路の保護装置
 第5章 配電線路の建設
 第6章 配電線路の保守
 第7章 配電電圧と各種電気方式

第2編 送電
 第1章 線路定数
 第2章 電気的特性
 第3章 電力円線図
 第4章 故障計算法
 第5章 第3高調波および中性点接地方式
 第6章 誘導障害
 第7章 発電機の自己励磁とフェランチ現象
 第8章 安定度
 第9章 保護継電方式
 第10章 遮断器
 第11章 避雷器
 第12章 直流送電

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