サービスサイエンスハンドブック

サービスサイエンスハンドブック

抽象的に扱われやすい「サービス」を具体化し、ビジネスにおける諸問題を解決する理論と実践を示す。

著者 Paul P. Maglio
Cheryl A. Kieliszewski
James C. Spohrer
日高一義 監訳
IBM東京基礎研究所翻訳チーム
ジャンル 社会科学
出版年月日 2014/04/01
ISBN 9784501628604
判型・ページ数 B5・722ページ
定価 本体14,000円+税
在庫 在庫あり

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本書の目的は、学際的アプローチによりサービスの実像・役割を明らかにすることである。抽象的に扱われやすい「サービス」を具体化し、ビジネスにおける諸問題を解決する理論と実践を示す。世界を代表する執筆陣により「サービスサイエンス」を体系的にまとめた。

 我々はサービスについて学ぶ者である.IBMがPrice Waterhouse Coopers Consultingを買収し,IBM基礎研究部門がIBMのサービスビジネスについて初めて本格的に取り組むようになったことをきっかけに,我々のサービスサイエンスに関する教育的観点からの活動は始まった(Horn,2005).教育活動が進むにつれ,サービスについて学ぶべきことは非常に多いことが判明したが,この状態は今でも変わらない.この本はサービスサイエンスの教育的観点からのごく最近の記録にすぎない.おそらくそれは,最終的な結論ではないだろう.
 「サービスに関する科学・マネージメント・工学・設計」(service science,management,engineering,and design;SSMED)とも呼ばれるサービスサイエンスは,サービスを研究し,サービスを向上させ,サービスを創造し,サービスを革新するために,分野をまたいだ新たなアプローチを目指している(Spohrer & Maglio,2008,2009).古くからサービスに対する様々なアプローチが存在するが(Delaunay & Gadrey,1992;Fisk,Brown,& Bitner,1993;Smith,Karwan & Markland,2007などを参照),サービスサイエンスは比較的新しいものである(Chesbrough,2005).しかしながら,学会誌の特集号や,サービスサイエンスに関する論文を集めた本がすでに出始めている(例えば,Hefley & Murphy,2008;Spohrer & Riecken,2006).実は,この本が最初に構想されたときのアイデアは,我々がゲストエディターとして関わったIBM Systems Journalの特集号から選んだ論文と,いくつかの古典的な論文(特に二つだけ挙げるなら,Shostack,1977;Heskett,Jones,Loveman,Sasser,& Schlesinger,1994)を再掲し,さらに何人かの新しい研究成果を加えて,サービスサイエンスの発展における重要な足跡を記した本を作るというものであった.出版元であるSpringer社も,サービスサイエンスに関する論文を集めた本を作りたいという我々の考えを気に入ってはいたが,彼らはもっと包括的なものを思い描いていた.最終的に,Springer社は我々を説得することに成功し,サービスサイエンスハンドブックは,すべて新たに書き下ろされた論文で構成され,サービスサイエンスの歴史,実績,可能性を完全に網羅した大作となった.結局,当初考えていたより大幅に分量は多くなった.信頼できるものになったかは,今後の評価に任せたい.
 ハンドブックを企画するにあたっての我々のアプローチは単純であった.まず,サービスに関する重要な論文や本をできる限りリストアップした.次に,その中から30~40編を選択し,それらの著者に対して,彼らの原論文やその拡張,さらにその先にある展望についての論文の執筆を依頼した.本当に単純なやり方であるが,このアプローチが非常にうまく機能した.サービス研究の先駆者や著名な学者が寄稿に同意してくださったことは非常にうれしかったし,どのような本ができ上がるかと胸が躍った.読者の皆さんもそうであることを願っている.
 本書を完成させるにあたって,我々を助け,励ましてくれたすべての人に感謝する.
序章 はじめに―ハンドブックの意義
第Ⅰ部 背景:起源
 第1章 再検討:顧客はサービスオペレーションに組み込まれているのか?―サービスと顧客の接触理論の背景と今後の展開
 第2章 サービスプロフィットチェーン―満足度からオーナーシップへ
 第3章 サービスのゲームに勝つために―価値共創のルールを再考する
 第4章 カスタマーエクイティ―顧客の価値を高めて企業の価値を活性化させる
 第5章 サービスワールド―「サービスの二面性」と「製造サービス」経済の台頭
第Ⅱ部 背景:理論
 第6章 統一サービス理論―サービスサイエンスのためのパラダイム
 第7章 サービスドミナントロジックによるサービスサイエンスの促進―解説と概念構築
 第8章 サービスシステムの科学―価値と記号
第Ⅲ部 研究と実践:デザイン
 第9章 サービス品質のギャップモデルに対するテクノロジーの影響
 第10章 サービスシステムデザインのための七つのコンテキスト
 第11章 エンタープライズサービスシステム設計のためのビジネスアーキテクチャ
 第12章 サービスの実践的アプローチ―高度に協調化された知識集約型サービスシステムにおける人,活動,情報
第Ⅳ部 研究と実践:運用
 第13章 オペレーションズマネジメントの領域におけるサービスサイエンスの軽視
 第14章 悪循環と好循環―知識ベースサービスにおけるヒューマンリソースダイナミクス
 第15章 サービスサイエンス―テレコムサービスの観点から
 第16章 サービスエンジニアリング―新しいソリューション設計のための総合学術フレームワーク
第Ⅴ部 研究と実践:デリバリー
 第17章 情報サービスの工業化
 第18章 サービス経済における労働力分析
 第19章 製品やサービスの複雑なデリバリーシステムを理解する
 第20章 サービスデリバリーのフォーマルモデル
第Ⅵ部 研究と実践:イノベーション
 第21章 サービスイノベーション
 第22章 サービスにおけるイノベーションと起業家精神―持続可能な発展に対する産業・技術主義的な考えを越えて
 第23章 サービスのイノベーションと,顧客との共同開発
 第24章 サービスのイノベーションを促進する五つのキーコンセプト
 第25章 法律はサービスイノベーションにどのような影響を与えるか
第Ⅶ部 展望
 第26章 サービスの未来が現実になるとき
 第27章 サービスの進化と未来―学際的領域としての構築と普及
 第28章 交易圏,規範的シナリオ,そしてサービスサイエンス
 第29章 Cambridge-IBMによるSSMEホワイトペーパー再考
 第30章 日本におけるサービスサイエンスの動向
 第31章 イノベーションとスキル―将来のサービスサイエンス教育

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