入門 水処理技術

入門 水処理技術

水処理方法の仕組みに加え、メリット・デメリットについて解説。放射性物質およびジオキサンの処理技術も掲載。

著者 和田洋六
ジャンル その他
出版年月日 2012/10/01
ISBN 9784501627805
判型・ページ数 A5・268ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり

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水の処理方法の仕組みをはじめ、メリット・デメリットについても解説。放射性物質およびジオキサンの処理技術も掲載。拡大の一途をたどる水ビジネスに関心のある初学者向けの一冊。

 水は私たちの生命維持をはじめ,生活用水,産業用水,環境保全に欠かすことのできない重要な物質です。石油や天然ガスは一度使ってしまうと元の姿に戻りませんが,水に限っては繰り返し使うことのできる循環型資源です。
 地球上に存在する水は約14億Km3といわれており,昔も今もその量は変わりません。このうち地下,河川,湖沼などの淡水として存在するのは,全体の約0.8%とされています。私たちが生活や産業に利用できる淡水の量はそのまた一部であり非常に限られています。
 地球上の水の大半は,海水が太陽熱によって蒸発し,水蒸気が雨となって陸地に降りそそぎ,淡水として利用されるという大循環を繰り返しています。水があれば人は定住し,農業や畜産が営まれ,やがて産業も発展します。
 水循環が自然の営みのなかで行われているあいだは,人の生活用水や産業用水の供給バランスに問題はありませんでした。ところが,近年,人口増加・経済成長・環境汚染などさまざまな要因によって,水の循環サイクルが円滑に進まなくなっています。
 21世紀になって世界の水資源は多くの地域で需要と供給のバランスが崩れはじめ「水のあるところにはあり余るほどあり洪水被害まで起こすが,ないところには一滴の飲み水すらない」という偏在した状況で,衛生的な生活を維持するための水を確保することは難しくなっています。
 世界の水必要量は2025年には2000年と比べて約3割増加すると見込まれています。なかでも,人口増加の著しいアジアは世界の必要量の約6割を占めるとされています。水不足は生活・産業・生態系の破壊など,さまざまな分野に影響を及ぼします。これに加えて,発展途上国では環境保全よりも生産性を優先せざるをえない事情もあって,水質汚濁による健康被害が追い打ちをかけ,深刻な状況も発生しています。
 環境対策を進めるには,一般市民への環境教育,産業界での環境保全技術の普及が必要です。快適な環境が整備されると人々の心にゆとりが生まれ,経済活性化のきっかけが芽生え,これらが相互に影響し合ってさらにクリーンで豊かな社会を構築しようとする意欲がわいてきます。
 環境保全と経済活性化の両方を達成する手段のひとつに水の高度処理とリサイクル技術があります。ここに水処理ビジネスの活躍の場が生まれます。
 これらの観点から,本書は,水ビジネス,水の高度処理とリサイクル,有害物の処理など,実務に役立つ水処理技術に焦点を合わせて解説しています。
 この本は,理工学部の学生をはじめ,水処理をある程度経験した技術者,日ごろ水処理の業務にたずさわる技術者の方々が短時間に理解できるようにわかりやすく書きました。本書が水処理にたずさわる読者の実務上のガイドブックとして役立てば幸いです。
 本文中に掲げた多くの文献,資料の著者ならびに東京電機大学出版局の皆様の努力に厚くお礼申し上げます。

2012年10月
和田洋六
第1章 水ビジネス
 1.1 家庭用水
 1.2 ミネラルウォーター
 1.3 バーチャルウォーター
 1.4 工業用水
 1.5 上水および工業用水の水質と処理方法
 1.6 排水の水質と処理方法
第2章 膜分離
 2.1 MF膜ろ過
 2.2 UF膜ろ過
 2.3 RO膜脱塩
第3章 イオン交換
 3.1 イオン交換樹脂の種類
 3.2 イオン交換樹脂による脱塩
 3.3 脱塩装置
 3.4 イオン交換樹脂の再生
 3.5 超純水
第4章 オゾン酸化
 4.1 オゾンの発生方法
 4.2 オゾンの特性と利用例
 4.3 オゾンの溶解方法
第5章 促進酸化法(AOP)
 5.1 紫外線の特徴とUVランプ
 5.2 AOP処理の原理と特長
 5.3 AOP処理のフローシート
 5.4 光洗浄
第6章 活性炭吸着
 6.1 活性炭の性質
 6.2 活性炭の塩素分解
 6.3 UVオゾン・活性炭処理
 6.4 活性炭塔の材質と配管例
第7章 生物学的処理
 7.1 活性汚泥法
 7.2 生物膜法
 7.3 膜分離活性汚泥法(MBR)
第8章 チッ素処理
 8.1 チッ素・リンによる富栄養化
 8.2 チッ素除去
第9章 リン処理
 9.1 凝集沈殿法
 9.2 生物処理法
 9.3 晶析法
第10章 有害物の処理
 10.1 シアンの処理
 10.2 クロムの処理
 10.3 Cr3+化成処理排水の処理
 10.4 重金属の処理
 10.5 フッ素(F)・ホウ素(B)の処理
 10.6 放射性セシウム
 10.7 ジオキサン
第11章 水のリサイクル
 11.1 RO膜法とイオン交換樹脂法による表面処理排水のリサイクル
 11.2 2段RO膜分離とUVオゾン酸化による産業排水のリサイクル
 11.3 シアン含有排水のリサイクル
 11.4 クロム(Cr)含有排水のリサイクルとクロムの再資源化
 11.5 汚染地下水のリサイクル
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