光技術入門

光技術入門
著者 堀内 敏行
ジャンル 自然科学
出版年月日 2005/04/01
ISBN 9784501620806
判型・ページ数 A5・248ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 品切れ・重版未定

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光学の基礎知識から応用技術までを解説

 人間には視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚の五感があるが,情報量としては視覚から得るものが断然多い.その視覚機能を担当するのは「目」であり,人間にとって極めて重要なセンサとなっている.「目」は光に対して,色(波長)の違いや強弱を検出できる極めて優れたセンサであり,非常に多彩な機能を有している.また,顕微鏡,望遠鏡などの「目」を助ける光学機器と組み合わせるとその機能は著しく向上する.
 科学技術の進歩は各種の機械に大きな変革をもたらしたが,光の利用もその一つに数えられよう.携帯電話,パーソナルコンピュータ,デジタルカメラ,CDプレーヤなどが生活必需品になっているが,一見電子機器に見えるこれらの機器には,光技術が深く関わっている.光の利用に進歩をもたらした基本的な要因を考えると,光学要素として従来のレンズやミラーに加えて光ファイバーが加わった.また、光源としてレーザやLED(発光ダイオード)が加わり,光センサとしてフォトダイオードやCCD(電荷結合素子)などの半導体素子が使われるようになった.また,液晶やプラズマ発光,エレクトロルミネッセンスなどをディスプレイ表示に利用する技術も大きく進歩した.光の利用技術,そして人間の視覚機能は以前にも増して重要になりつつある.
 しかしながら,大学において,「光学」の基礎とその関連技術に力を入れて教育を行っている学部,学科はあまり多くないようである.元々のベースとなる中学校の理科教育,高等教育の物理学教育においても,「光学」にはわずかな時間が割かれているに過ぎない.しかも,高等学校の物理学教育は一般に選択科目であり,全員が履修して来るわけではない.加えるに,大学の同じクラス内でも,数学および理科全般についての基礎学力のばらつきが極めて大きい.こうした状況のもとで「光学」を基礎から学習し,最先端の「光応用技術」まで話を到達させることは容易ではない.しかしながら,順序立てて基本を学び,その基本がどう応用されているのかをある程度理解でき,話が自分達の身近なものにつながると,「光学」が急に面白くなるようである.
 本書は次世代を担う理科系の大学生が「光学」の基本を理解するとともに,「光応用技術」の最新の動向を察知して,いろいろな技術に興味を持つようにすることを目的に,「基礎光学」,「応用光学」,「光学機器」などの初級教科書としてしたためたものである.基礎があまりない学生には積極的に学ぶ手掛かりを与えたいと考えて執筆したつもりである.「光学」や「光応用技術」になんとなく興味を持った学生が本書を足掛かりとして本当に興味を持ってくれるならば,著者にとって無上の喜びである.
 本書の出版にあたり,ご尽力をいただいた東京電機大学出版局の植村八潮氏,編集・校正で一方ならずお世話になった石沢岳彦氏に心から感謝する.
  2005年3月
  著者しるす
第1章 光線の性質
 1.1 幾何光学
 1.2 幾何光学の基本原理
 1.3 幾何光学の基本法則
 1.4 逆進の法則
 1.5 正規反射と乱反射
 1.6 全反射
第2章 レンズによる結像
 2.1 凸レンズと凹レンズ
 2.2 光軸と焦点
 2.3 主点と主平面
 2.4 球面における屈折
 2.5 凸レンズによる結像
 2.6 凹レンズによる結像
 2.7 ニュートンの結像式
 2.8 レンズを2枚重ねたときの焦点距離
第3章 ミラーによる結像
 3.1 凸面鏡と凹面鏡
 3.2 凹面鏡による平行光の集束
 3.3 凸面鏡による平行光の発散
 3.4 凹面鏡による結像
 3.5 凸面鏡による結像
 3.6 平面鏡による結像
 3.7 球面意外の二次曲面の性質
第4章 収差
 4.1 球面による収差
 4.2 色収差
第5章 光の波動性
 5.1 光の波動的な特徴
 5.2 光の波動の解析
 5.3 干渉
 5.4 偏光
 5.5 反射特性への波動性の影響
第6章 回折
 6.1 回折現象
 6.2 短形スリットによるフラウンホーファ回折
 6.3 回折格子
 6.4 円形開口によるフランホーファ回折
 6.5 レンズによるフランフォーファ回折
 6.6 スリットによるフレネル回折
 6.7 ナイフエッジによるフレネル回折
 6.8 光波の複素数表現
第7章 光の粒子性
 7.1 水素の輝線スペクトル
 7.2 光子と光子のもつエネルギ
第8章 光と視覚
 8.1 人間の目の構造
 8.2 人間の目の解像度
 8.3 光の強さ
 8.4 めがね
第9章 レーザ
 9.1 レーザ光の発生
 9.2 レーザ光のモード
 9.3 レーザ光の種類と用途
第10章 光ファイバー
 10.1 光ファイバーの構造
 10.2 光の伝播可能角度
 10.3 通信用光ファイバー
 10.4 画像取り出し用光ファイバー
 10.5 ライトガイド
第11章 光学機器
 11.1 拡大鏡(ルーペ)
 11.2 顕微鏡
 11.3 望遠鏡
 11.4 カメラ
 11,5 コピー機
 11.6 レーザプリンタ
第12章 光応用技術
 12.1 液晶ディスプレイ
 12.2 ホログラフィ
 12.3 干渉を利用した距離測定技術
 12.4 屈折率分布の可視化技術
 12.5 モアレトポグラフィ
 12.6 光造形法
 12.7 リソグラフィ
付録
索引

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