環境科学の基礎

環境科学の基礎
著者 岡本 博司
ジャンル 全て
その他
出版年月日 2002/06/01
ISBN 9784501619503
判型・ページ数 A5・176ページ
定価 2,310円(本体2,100円+税)
在庫 品切れ・重版未定

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環境科学のエッセンスをバランスよく平易に解説

 環境科学の取り扱う分野は多方面にわたり,すべてを網羅することは不可能である.そこで,環境科学の概要が分かるようバランスをとって,基本的な分野をできるだけ幅広く取り扱うことにした.また,各分野で取り扱う事項も基本的で重要なものに絞り,そのエッセンスを解説した.左ページに解説,右ページに図面を配し,見開きで1節が完結するようにレイアウト.


 本書は,環境科学のエッセンスをわかりやすく解説したものである。
 環境科学の取り扱う分野は多方面にわたり,すべてを網羅することは不可能である。そこで,環境科学の概要が分かるようバランスをとって,基本的な分野をできるだけ幅広く取り扱うことにした。また,各分野で取り扱う事項も基本的で重要なものに絞り,そのエッセンスを解説した。事項の取捨選択が最も苦心したところである。また,環境問題は社会と直結しているので法律や統計を多用し,現状の理解を促すよう努めた。
 本書では,平易な文章になるよう心がけ,できるだけ読者の立場に立って話を進めた(つもりである)。本書の組み立ては,左ページが本文,右ページがそれに対応する図表とする2ページで1節のひとまとまりからできており,整理・理解しやすい形にしてある。さらに,統計や計算では次のようなことにも注意を払い,理解しやすくした。(1)数値の単位をそろえた,(2)記憶しやすい数値になるような単位を用いた,(3)間違いやすい統計の内容は具体的に説明した。
 著者は長年,会社で火力発電所排ガス用の脱硝触媒・自動車用の酸素センサー・自動車用のメタノール燃料電池などの研究を行い,大学では現在すでに6年間環境工学・環境科学の講義を行ってきている。本書は,これらの経験を生かし,また講義で述べた断片的な話をつないでひとまとまりにしたものである。 本書の構成は,まず環境における人間の位置づけについて考えたのち,大気環境とエネルギーについて解説し,その後,生態系・化学物質そして身近な環境について解説するという構成になっている。各節の話は基本的に独立しているため,どの部分から読み始めても良いようにアレンジしてある。
 執筆に際しては,内容に誤りがないようできるだけ注意を払ったが,勘違いや思わぬミスがあるかもしれない。読者諸賢のご叱正を待つしだいである。
 本書は多くの方のお力添えで書き上げることができました。とくに,国立環境研究所の勝本正之特別流動研究員,トヨタ自動車の岡田忠成主査,大阪府立大学の坂東博教授には,専門的な知識を教えていただき,感謝しております。また,矢野晶さんには本書のイラストや図表をすべて描いていただきました。東京電機大学出版局の石沢岳彦氏には最初から最後までお世話になりました。ここに感謝の意を表します。
2002年5月(青梅にて)
岡本博司
第1章 人間と環境
1.1 私たちのルーツ
 1.2 生態系における私たちの位置づけ
 1.3 地球環境問題
 まとめ
第2章 地球の温暖化
2.1 温室効果と大気の温度
 2.2 温室効果ガスの赤外線吸収
 2.3 温室効果ガス(1)
 2.4 温室効果ガス(2)
 2.5 大気中の二酸化炭素濃度の増加
 2.6 大気中の二酸化炭素量に関する計算0
 2.7 気温の上昇
 2.8 地球温暖化による影響(1)
 2.9 地球温暖化による影響(2)
 2.10 地球温暖化対策(1)
 2.11 地球温暖化対策(2)
 2.12 地球温暖化に関するトピックス
 まとめ
第3章 オゾン層破壊
3.1 オゾン層とオゾン
 3.2 フロンガス
 3.3 オゾンホール
 3.4 オゾン層破壊による影響と国際的な取り組み
 3.5 技術的な対策
 3.6 オゾン層破壊に関するトピックス
 まとめ
第4章 酸性雨
4.1 酸性雨
 4.2 硫酸・硝酸の生成メカニズム
 4.3 酸性雨の人体および建造物などへの影響
 4.4 酸性雨の森林・植物への影響
 4.5 酸性雨の湖沼・海への影響
 4.6 酸性雨対策
 4.7 酸性雨に関するトピックス
 まとめ
第5章 自動車排気ガス
5.1 ガソリンエンジンとディーゼルエンジン
 5.2 自動車排気ガスの成分
 5.3 光化学スモッグ
 5.4 自動車排気ガス対策
 5.5 代替燃料の自動車
 5.6 代替エンジンの自動車
 5.7 自動車排気ガスに関するトピックス
 まとめ
第6章 エネルギーと環境
6.1 人間活動とエネルギー消費
 6.2 太陽エネルギーと人間活動のエネルギーに関する計算
 6.3 化石燃料
 6.4 原子力エネルギー
 6.5 再生可能エネルギー
 6.6 太陽熱と太陽電池
 6.7 風力・波力・海洋温度差発電
 6.9 バイオマスエネルギー
 6.10 効率的なエネルギー変換
 6.11 エネルギーの効率的利用法
 6.12 エネルギーに関するトピックス 
 まとめ
第7章 生態系
7.1 生態系と生物群系
 7.2 生態ピラミッドと生態的地位
 7.3 生態系の遷移
 7.4 生物の多様性と絶滅
 7.5 森林の恩恵と森林伐採
 7.6 森林と文明
 7.7 土壌と砂漠化
 7.8 生態系の実例
 7.9 生態系に関するトピックス
 まとめ
第8章 ダイオキシンと農薬
8.1 ダイオキシンと生物濃縮
 8.2 ダイオキシンの毒性と発生源
 8.3 ダイオキシン対策
 8.4 環境ホルモンの性質と影響
 8.5 代表的な環境ホルモン
 8.6 農薬とバッタ効果
 8.7 化学物質に関するトピックス
 まとめ
第9章 生活環境
9.1 河川
 9.2 上水
 9.3 下水処理
 9.4 ごみ発生の抑制
 9.5 身近なごみのリサイクル
 9.6 有機農業と遺伝子組み替え作物
 9.7 ヒートアイランド
 9.8 生活環境に関するトピックス
 まとめ
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