理工系の物理学@Mathematica 力学

理工系の物理学@Mathematica 力学
著者 小畑 修二
ジャンル 自然科学
出版年月日 2000/09/01
ISBN 9784501618001
判型・ページ数 B5・170ページ
定価 本体2,300円+税
在庫 品切れ・重版未定

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身近な話題と視覚的理解で力学を解説.初学者向

 本書は,理工系学部の物理学を学ぶ初学年の学生を対象に力学について,身近な話題を取り上げ「りんごの落下」から「天体の運動」までが同じ法則で理解できることを解説。特色として,数値処理ソフトのMathematicaによるシミュレーションを随所に取り入れ,力学法則の具体的な運動をグラフィカルに把握でき,視覚的に理解できる。


 本教科書は理工学の基礎となる物理学の初頭教育から応用力を高めるまでを念頭において書きまとめた。この力学編は物理現象の本質を記述するに当たって,ベクトルの扱いと微分積分が必要となり,数学的な素養を身に付けながらの物理学の講義内容となっている。従って初学年の諸君にとっては初めての数学的手法が随所に現れることになろう。しかし丁寧な解説を付けたので少々の努力で総てを理解することができよう。
 本書の特色としてMathematicaを用いた力学的運動の計算機シュミレーションを随所に取り入れ,力学法則と具体的な運動をつぶさに把握できるようにした。こうしたシュミレーションは,解析的に解を求めること無しに物体の運動を調べ図示できるので,学力のある諸君にとっては解析解のチェックに利用できて便利である。また単に複雑な運動系を調べることに用いても,簡単にその運動が図示されるため,数学的な困難を感じずに物理現象を楽しむことができる。さらに物理の苦手な諸君にとっては,同じアルゴリズムで書いたプログラミングで多様にシュミレーションが楽しめるので,物理現象の本質は嫌でも理解できるようになろう。
 力学的物理現象は,冒頭のページにも書いた様に,物理空間の性質を述べた3つの法則を理解すればその総てを把握することができる。運動の計算機シュミレーションが通り一辺倒のプログラミングで済むのはそのためである。従って間違った思考の道筋に入らなければ,力学はいたって簡単な学問であり矛盾の無い世界と言える。ぜひ間違った思考の道筋に入らないように順序良く力学を学んで頂きたい。力学現象は自然現象として,日常生活の中で,体で会得していることが多い。幼いころからのささいな思い違いが理解を妨げることもあろう。バーチャル・リアリティなる空想画の悪影響も残っていよう。まず3つの保存則をしっかり身につけた上で,各基本法則を矛盾無く理解していくことが肝心である。諸君が本書になじみ難い場合は原康夫先生などの書かれた教科書をもう一冊入手し,並べ読みをすると良い。私の経験であるが,どんな学問でも教科書は数を増やすほど学び易い。
 問題を解くことは理解したことをチェックしさらに理解を深めるために非常に大切である。本書の段落ごとの問題は,数は少ないが本質的な所を問題のテーマにしているので,ぜひ全部を解答して頂きたい。本書はコマの首振りまで理解することを目標に書きまとめられている。ここまでの問題を解く知識と思考力は理工系大学生の基本的な素養として不可欠なものと考える。
 本書は篠原正三先生の書かれた「物理学概論」を基礎とし現在風の内容にして執筆したものです。私が院生から教員に至るまでの間篠原先生から一貫して教えて頂いたことは物理学の透明感でした。学ぶ程に,高い山から透明な空気を通して遠く景色を見渡すような心地よさを覚えました。ここに篠原正三先生への感謝の意を心に込めて記します。
 物理で透明感を得るには,ある程度の難しい数学も理解する必要が有りますが,無駄の無い思考過程を会得することが肝心と思います。本書をして皆さんに篠原先生の透明感が少しでも伝えられれば幸いです。
2000年8月

著者
第1章 空間座標とベクトル量
第2章 ベクトルの時間変化
第3章 質点系の運動と力学法則
第4章 質点系の衝突,摩擦,振動
第5章 剛体の釣り合い
第6章 剛体の運動
物理定数表/天文部
物理/科学部
物理科学史

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