物質工学講座 高分子合成化学

物質工学講座 高分子合成化学
著者 山下 雄也 監修
青木 俊樹
伊藤 浩一
伊藤 敬人
岡田 鉦彦
川上 雄資
小久保 孝
塚原 安久
中條 善樹
平尾 明
ジャンル 全て
自然科学
出版年月日 1995/08/01
ISBN 9784501614102
判型・ページ数 A5・430ページ
定価 5,170円(本体4,700円+税)
在庫 在庫あり

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有機化学的に筋の通った高分子合成化学の教科書。大学院の教科書に最適である。

<まえがき>
 私が高分子の勉強を始めたのは1950年代のことである。卒業研究の4年生や研究室の若いスタッフ達を相手に高分子の論文を読みながら頭の中に重合の体系を構築していった。その頃の重合化学は,ラジカル重合の論理でまとめられていて,有機化学しか知らなかった私には理解し難い点が多かった。高分子化学の体系をもっと普通の有機化学で組み立てられないものだろうか。こんな発想から開環重合を手がけ共重合の研究に入って行った。1950年代と言えば,高分子化学が最盛期を迎えた時代である。Zieler・Nattaの遷移金属触媒重合は石油化学に革命をもたらしたし,Szwarcのリビングポリマーは高分子合成に新分野を開いた。毎週のゼミで新着雑誌のSzwarcの論文を紹介するたびに胸踊る思いだったことを今でも昨日のように覚えている。それから40年,熱心な学生や協力者達と共に研究の中から私なりの高分子化学を組み立てることが出来たのではないかと思っている。

 今や高分子化学は,初期の合成法や材料学の時代を過ぎて新しい道を歩みつつある。そして,高性能・高機能を追求した新素材がつぎつぎに誕生してきている。その基礎は高分子設計にあり,高次構造の制御による機能の発現や新触媒による精密重合の展開である。しかし,基盤技術としての高分子合成の重要性は少しも変わっていない。化学を専攻して有機化学のおもしろさがわかりかけた学生諸君が高分子化学を勉強する手助けとなるようにこの本を編集することにした。本書で書きたかったのは有機化学的に筋の通った高分子合成化学である。幸いに編者の思想に共鳴して同じ研究室で高分子の研究に青春の情熱を傾けた協力者達にそれぞれの専門領域で執筆していただくことが出来た。私達が自分なりに高分子合成化学を作ってきたフィロソフィーを次世代の学生諸君に伝えることが出来れば幸いである。
 本書は,学部のみならず大学院の講義にも使用できるように企画したし,研究者・技術者の机上の参考書としても役立つよう留意したが,編者の力及ばず若干統一を欠いている点はお詫びしたい。不十分な点は演習問題で補って自学自習していただくよう希望する。
1995年7月
山下雄也
第1章 高分子合成入門
第2章 ラジカル重合1?基本的概念と重合スキーム?
第3章 ラジカル重合2?素反応機能?
第4章 ラジカル共重合
第5章 キャラクタリゼーション
第6章 イオン重合
第7章 重合反応の規制と高分子設計
第8章 遷移金属触媒重合
第9章 開環重合
第10章 重縮合
第11章 重付加・付加縮合
第12章 高分子反応1
第13章 高分子反応2
第14章 高分子材料
第15章 高分子新素材

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