情報デザインシリーズ ユーザーエクスペリエンスの測定

UXメトリクスの理論と実践

情報デザインシリーズ ユーザーエクスペリエンスの測定

ユーザーの行動パターンや行動頻度の測定方法やデータの分析方法について、理論と豊富な事例・実践に基づき詳解。

著者 トム・タリス
ビル・アルバート
篠原稔和 監訳
ジャンル 情報・コンピュータ
出版年月日 2014/11/01
ISBN 9784501552909
判型・ページ数 B5変・344ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり

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サービスやシステムを使用するにあたって得られる、行動パターンや行動頻度(ユーザーの経験:UX)を測定することによって、ユーザーの満足度(楽しさや心地よさ)を把握することが可能となった。この手法を用いることにより、ユーザーがどこで非効率化を感じ、どこに不満を抱くのかという部分を把握し分析することができる。本書はUXの測定方法やデータの分析方法について、理論と豊富な事例(実践)に基づき詳しく解説した。

 ユーザーエクスペリエンス,略してUX(User Experience)とは,製品,またはアプリケーションやシステムといったものと人間との間のインタラクションのあらゆる側面を指す言葉である。とらえどころがなく,測定も数量化もできないと思っている人も多いようである。しかし,私たちは,それが可能だと思っている。そして,UXを数的指標として測定するツールが,UXメトリクスである。それには,以下のようなものがある。

●旅行サイトで航空券を予約するのにどれだけ時間がかかるか。
●システムにログインしようとするユーザーが何回エラーを犯すか。
●デジタルビデオ録画機で好きなテレビ番組の放映すべてを録画しようとした人のうち何人が実際に録画できるか。
●「目的地ベース」の新型エレベーターで,目的のボタンを最初に押さずに乗り込んでしまい,乗ってからエレベーター内には階数のボタンがないことに気づく人が何人いるか。
●ウェブページ上で,1回クリックすれば目的を達成できるリンクがあるのに,それに気づかないユーザーが何人いるか。
●新しい本棚を組み立てるにあたって,文字がいっさい書かれていない説明書に従ってやってみたところ,簡単にできて嬉しかったという人が何人いるか。

 これらはいずれも,測定可能な行動や態度を示している。なかには測定の簡単なものもあれば,難しいものもあるかもしれない。しかし,どれも測定できるのは確かである。タスク成功率,タスク時間(タスクが完了するまでに必要な時間),マウスのクリック数やキーボードの入力数,ユーザーによる自己申告の不満度や満足度評価,ウェブページ上のリンクを見た回数などは,どれもUXメトリクスの実例である。そして,これらのメトリクスから,UXについての貴重な洞察が得られる。
 ではなぜ,UXを測定するのか。それは,UXの向上に役立つからである。今の時代にあって,改良努力を続けない消費者向け製品やウェブサイトは,ほとんどが取り残されていくだろう。UXメトリクスを使えば,競合製品と比べた場合の相対的な立場が分かるほか,改良のための労力をどこに集中すべきなのか,つまり,ユーザーがどこで最も混乱し,非効率を感じ,不満を抱くのかという部分が明確に見えるようになる。
 この本は,実務書であって,理論的な学術論文ではない。どんな状況でどんなUXメトリクスを使うべきか,そのメトリクスをどうやって収集すべきか,さまざまな分析手法を使ってデータをどのように読み解くべきか,そして,その結果を最も明瞭かつ説得力のある方法で見せるにはどうすべきかについて,実践的なアドバイスを提供していく。著者の2人は,この分野で合わせて40年以上の経験を持っているが,そこから学んできた実践的な教訓も共有していきたい。
 この本は,どんなタイプの製品であれ,UXを向上させたいと思っている人すべてを対象としている。消費者向けの商品,コンピュータシステム,アプリケーションプログラム,ウェブサイト,あるいはまったく毛色の違う製品もあるだろう。けれども,人が使うものであれば,それに伴うUXは測定できる。UXの向上に関心を持っていて,この本を役立てることができる人は,さまざまな分野のさまざまな立場にわたるだろう。例えば,ユーザビリティ専門家やUX専門家,インタラクションデザイナー,情報アーキテクト,製品デザイナー,ウェブデザイナー,ウェブ開発者,ソフトウェア開発者,グラフィックデザイナー,マーケティング専門家や市場調査専門家,プロジェクトマネージャー,製品マネージャーなどである。
 みなさんが製品のUXの向上を目指すにあたって,この本がお役に立てるのであれば大変光栄である。みなさんの成功談(そして失敗談も!)を,ぜひ教えてほしい。私たちへの連絡は,http://www.MeasuringUserExperience.com/から可能である。また,このウェブサイトでは,補足資料も公開している。この本で紹介するたくさんの事例で示したスプレッドシードやグラフ,UXの測定に役立つツールの情報など,ぜひご利用いただきたい。
第1章 はじめに
 1.1 この本の構成
 1.2 ユーザビリティとは何か
 1.3 なぜUXが重要なのか
 1.4 UXメトリクスとは何か
 1.5 UXメトリクスの価値
 1.6 UXメトリクスについての10の誤解
第2章 背景となる情報
 2.1 ユーザビリティ調査の設計
 2.2 データのタイプ
 2.3 メトリクスとデータ
 2.4 記述統計
 2.5 平均値の比較
 2.6 変数間の関係
 2.7 ノンパラメトリック検定
 2.8 データのグラフ表示
 2.9 まとめ
第3章 ユーザビリティ調査の計画
 3.1 調査の目的
 3.2 ユーザーの目的
 3.3 正しいメトリクスの選び方:10種類のユーザビリティ調査
 3.4 その他の調査の詳細
 3.5 まとめ
第4章 パフォーマンスメトリクス
 4.1 タスク成功率
 4.2 タスク時間
 4.3 エラー
 4.4 効率
 4.5 学習可能性
 4.6 まとめ
第5章 問題点に基づいたメトリクス
 5.1 ユーザビリティ問題の特定
 5.2 ユーザビリティ問題とは何か
 5.3 問題の特定方法
 5.4 深刻度の評価
 5.5 ユーザビリティ問題のメトリクス分析と報告
 5.6 ユーザビリティ問題の一貫性
 5.7 ユーザビリティ問題の偏向
 5.8 参加者の数
 5.9 まとめ
第6章 自己申告メトリクス
 6.1 自己申告データの重要性
 6.2 自己申告データの収書
 6.3 タスク終了後の評価
 6.4 セッション終了後の評価
 6.5 デザイン比較のためのSUSの使用
 6.6 オンラインサービス
 6.7 その他のタイプの自己申告メトリクス
 6.8 まとめ
第7章 行動・生理メトリクス
 7.1 顕在的な行動の観察とコード化
 7.2 観察するための機器が必要な行動
 7.3 まとめ
第8章 統合・比較メトリクス
 8.1 統合的なユーザビリティスコア
 8.2 ユーザビリティスコアカード
 8.3 目標値および熟練者のパフォーマンスとの比較
 8.4 まとめ
第9章 特別なトピック
 9.1 稼働中のウェブサイトのデータ
 9.2 カードソートのデータ
 9.3 アクセシビリティに関するデータ
 9.4 ROI(投資収益率)のデータ
 9.5 シックスマグマ
 9.6 まとめ
第10章 ケーススタディ
 10.1 安価で手早いウェブサイトのデザイン変更(執筆者;Hoa Loranger)
 10.2 音声認識インタラクティブ応答システムのユーザビリティ評価(執筆者:James R.Lewis)
 10.3 ウェブサイトCDC.govのデザイン変更(執筆者:Robert Bailey,Cari Wolfson,Janice Nall)
 10.4 ユーザビリティのベンチマーキング:モバイル音楽・ビデオ(執筆者:Scott Weiss,Chris
Whitby)
 10.5 薬品ラベルのデザインと類似性が薬剤師のパフォーマンスに与える影響の測定(執筆者:Agnieszka(Aga)Bojko)
 10.6 メトリクスの有効活用(執筆者:Todd Zazelenchuk)
第11章 さらに前進するために
 11.1 UXとメトリクスのパワーを売り込む
 11.2 小さく産んで大きく育てる
 11.3 時間と費用を確保する
 11.4 早めに何度も計画を立てる
 11.5 製品のベンチマークを確立する
 11.6 データを吟味する
 11.7 ビジネスの視点を持つ
 11.8 自信を見せる
 11.9 メトリクスを誤用しない
 11.10 プレゼンテーションをシンプルにする
監訳者あとがき
参考文献
索引

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