技術史から学ぶ情報学

技術史から学ぶ情報学
著者 小山田 了三
小山田 隆信
ジャンル 情報・コンピュータ
出版年月日 2007/07/01
ISBN 9784501543501
判型・ページ数 A5・226ページ
定価 本体2,400円+税
在庫 品切れ・重版未定

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高校の教科「情報」の副読本としても最適

 今日のいわゆる高度情報化社会は,コンピュータを中心とする情報技術の秒進分歩の発展・普及による技術進歩と,終わりのない可能性への挑戦が生み出したもので,その進歩は情報技術の社会への影響力をますます大きくしているように見える。
 振り返ってみると,本書の前身である『情報史・情報学』が刊行された1993年は,ちょうどインターネットの商用利用が開始され,また,Windows3.1が登場してパソコンが徐々に一般家庭に普及しはじめたころだった。それでもコンピュータはまだ大学の研究室や一部の企業などにしかなかったものであり,情報やコンピュータ関係の講義は大学でも理工系学部の情報系の学科で行われていただけだった。コンピュータを扱うためには,その仕組みをつくりあげるプログラミングを学ぶ必要があり,ソフトウェアの数もまだそれほど多くはなく,コンピュータや情報学はその道の専門家だけのものであった。
 しかし,1995年に,従来のパソコンOSに比べて一般の利用者にも使いやすくなったWindows95が登場し,私たちとコンピュータや情報との関係は大きく接近した。パソコンひとつ取ってみても,そのころからソフトウェアを探せば手に入る「ソフトウェア飽食の時代」とさえ呼べる時代が始まり,またインターネットの急速な普及によって全世界が情報ネットワークでつながれた。それからまもなく普及した携帯電話にも,インターネット機能をはじめパソコンと同様の機能が少なからず組み込まれて,携帯情報端末といえるほどに進化してきている。それ以外にも,電子表示板やタッチパネルなどが日常生活のいたるところに使用され,いまや人々は,みずからの情報を得るために機器を自由自在にあやつり,機器万能の感さえある。
 しかし,情報の始まりについて考えてみると,そもそも情報は,コンピュータとともにあったわけではなく,人類の誕生とともに生まれたものであり,時代が「糸電話からネットへ」と流れ,情報を収集・記録・伝達・利用する手段がどのように進歩してきても,人類と情報との関係には変わりはないものである。
 ところで,このようにコンピュータをはじめとする情報機器が使いやすくなったり,その利便性が増してきたりする一方で,機器の技術面に対する人々の理解は急速に疎くなってきた。しかし,これらの機器の日進月歩を見れば,その仕組みを理解する重要性が薄れているわけではなく,むしろさらに重要さを増しているといえる。
 その意味で,前著が出されて15年を経てないようを時代に合わせてほしいという要望に応えるべく半分を新しく書き直すこととした。内容は著者と同様のいわゆる一般の人々を対象に,いまではあまり人々が手を触れない情報の技術史を追いながら,情報学の領域を見渡す情報全般の基礎的な知識(情報の収集,管理と利用)をも学べる内容のものに改めようと考えた。こうした目的のために,本書は初心者に情報の学問的内容をできるだけわかりやすく解説し,文中には多くの事例をあげ,また難解な用語についてもできるだけ日常のわかりやすい言葉で説明するように努めている。また,情報の数学的表現では,数学に慣れていない人のために若干の工夫も加えている。しかし,筆者の力不足のために意を尽くせないところも多々あるものと思われるが,それらの点については先輩諸賢のご指導・ご叱正をいただければ幸いである。
 また,本書の性質上いちいちあげて記さなかったが,筆者が学んだ多くの先輩諸氏のご著書からさまざまなご教示をいただいた。感謝申し上げたい。最後に,出版にあたって東京電機大学出版局長植村八潮氏にご尽力をいただいたことを付記して深く感謝を申し上げたい。
 2007年6月
 著者記す
第1章 情報と生活
 1.1 生活の中の情報
 1.2 情報の伝達と記録 ?コンピュータ普及以前?
 1.3 文字の発明と情報の記録
 1.4 情報の収集と蓄積
 1.5 情報の処理
 1.6 情報社会の問題点
 1.7 情報科学の範囲
第2章 情報とその基礎
 2.1 情報の定義
 2.2 情報の価値と性質
 2.3 情報の量と表し方
 2.4 情報の量とその大容量化
 2.5 情報量の数学的表示法
 2.6 情報量と確率
 2.7 確率と大数の法則
 2.8 情報量のエントロピー
第3章 情報の伝達とその歴史
 3.1 情報源としての情報メディア
 3.2 文字情報メディア
 3.3 伝達の経路
 3.4 伝達の理論的取り扱い
 3.5 情報伝達の歴史
第4章 情報機器メディアと情報メディア
 4.1 情報伝達用機器
 4.2 コンピュータの出現
 4.3 インターネット普及までの情報機器の開発の歩み
第5章 情報の収集と加工
 5.1 情報の収集
 5.2 情報の加工
 5.3 情報の加工
 5.4 加工による情報の種類
第6章 情報の蓄積とデータベース
 6.1 情報のまとめ方
 6.2 データベース
 6.3 データベースの利用
第7章 情報の検索と管理
 7.1 人手による検索・紙媒体情報の検索
 7.2 コンピュータ技術を使った検索
 7.3 インターネットによる検索①
 7.4 インターネットによる検索②?サーチエンジン?
 7.5 文献検索とインターネット検索の長所と短所
 7.6 機器による検索
 7.7 オンラインシステムによる検索
 7.8 情報管理
第8章 高度情報化社会の諸問題
 8.1 神話としての情報社会
 8.2 情報化から学んだもの
 8.3 情報化によって失われたもの
 8.4 マスコミの報道と公正な情報の条件
索引

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