たのしくできる 並列処理コンピュータ

たのしくできる 並列処理コンピュータ
著者 小畑 正貴
ジャンル 情報・コンピュータ
シリーズ たのしくできる
出版年月日 2001/09/01
ISBN 9784501533809
判型・ページ数 A5・208ページ
定価 本体2,400円+税
在庫 品切れ・重版未定

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数万円で並列処理コンピュータ製作法を解説

 問題を複数に分けて,複数のプロセッサで手分け計算すれば,処理時間の短縮になる。これを並列処理と言い,今日の高性能化した単体をつなげるとスーパーコンピュータ並の能力を得ることができる。
 ところが,個人でそれを準備しようとすると費用の点で難があったり,プログラミングの良い手引きがなくてまだ一般的には普及していない。
 そこで,本書では,数万円でできるPC用のマルチプロセッサボードの製作と,その上でプログラムを動かしさまざまな実験を行う。自分のPCを性能アップしたうえに,並列処理そのものが習得でき,ハードにも強くなるという有益な一冊。

 並列処理はデータやプログラムを小分けにして複数のプロセッサで処理することで計算時間を短縮しようとするものです。並列処理の考え方はコンピュータの発明と同時に考えられてきましたが,1台作るのにも大変な時代に多数のプロセッサをつなぐことはなかなかできませんでした。しかし集積回路技術の発達により今日では多数のプロセッサを接続することは困難ではなくなっています。
 1980年代後半からは並列計算機の製品化が活発になり,現在ではスーパーコンピュータや大規模サーバなどはすべて並列型になっています。ワークステーションやパソコンも,高性能のものは2?4個のプロセッサをもっています。また最近は,複数のコンピュータをネットワーク接続して並列/分散処理をさせる「コンピュータクラスタ」も利用されています。さらには,地球規模でネットワーク接続されたコンピュータで分散処理を行う「グローバルコンピューティング」も研究されています。
 このように並列処理は最近の高性能コンピュータにはなくてはならないものですが,一般的に自分でプログラミングして利用するところまでは至っていません。本書は,実験によって並列処理をより具体的に理解できることに重点を置き,代表的な並列計算機方式に対するハードウェアの作製とプログラミング実例,実行結果を中心に構成しています。
 並列処理の実験のためには並列計算機が必要です。普通のコンピュータでマルチタスクにより仮想的に並列処理をすることは可能ですが,台数の増加による計算時間の短縮や,複数プロセッサが同時に動いているときに起きる問題などは実際にプロセッサが複数ないと実験できません。マルチプロセッサ型のパソコンや,パソコンによるクラスタも,個人で用意するには困難です。
 このため本書では実験用に,数万円の部品代で作れるパーソナルコンピュータ用のマルチプロセッサボードを製作することにしました。その上でさまざまな並列処理プログラムを動かし,実験を行います。プロセッサ数を増やすことで計算時間が短縮できる場合や,プロセッサを多くしても速くならない場合,並列処理特有のプログラミングテクニックなどをこのボードでの実験結果を示しながら説明します。
 1章で現在の並列処理技術の全般(ハードウェア,ソフトウェア)について解説し,2章以降は実験用マルチプロセッサの製作と,これを使った各種並列プログラムの作成と実行結果を説明していきます。プログラミングは,共有メモリ型および分散メモリ型の両方を取り上げます。できれば実験ボードを使って自分でプログラミングしてもらえるといいのですが,それができなくても,詳細なハードウェア構成,プログラムリスト,実行時間の測定値などにより並列処理がより具体的に理解できるようになるものと期待します。本書により,並列処理が本の中の世界から読者の具体的対象として抜け出し,並列計算機を使ってみようという気になってもらえると幸いです。
 最後に,本書の出版でお世話になった東京電機大学出版局の植村八潮氏に感謝します。また,本書の実験は岡山理科大学工学部情報工学科において行われました。実験に協力してくれた学生諸氏に感謝します。

小畑正貴
はじめに
1 並列処理コンピュータの概要
2 実験用マルチプロセッサボードmpSH
3 mpSHボードのハードウェア
4 ソフトウェアの全体構成とPC側ユーティリティ
5 並列ライブラリプログラム
6 インストールと並列プログラムの実行方法
7 並列プログラムの基礎
8 応用問題
9 分散メモリプログラミング(MPI)
付録
参考文献

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