マルチメディアビギナーズテキスト 第2版
最新のマルチメディアの主要項目を幅広く網羅
マルチメディアの主要項目を幅広く網羅し,技術的に解説した入門書。改訂にあたり,全面的に見直し,現状にあわせて更新した。特に7,8章は変化が激しい分野であり,7章はネットワーク,HTMLを強化,8章はeブック,電子ジャーナル等を追加した。また3章は画像と文字認識を中心に再構成した。
■はじめに
近年,マルチメディアという言葉をいたるところで目にするようになり,その関連図書もかなりでまわっている.しかし,それを講義しようとすると必ずしも適当な教科書がない.たとえば,工学系の教科書ではデジタル信号処理が中心であり,サービスとしてのマルチメディアについてはあまり述べられていない.逆に一般向けの図書ではサービス面が中心で,その原理については解説されていないことが多い.そこで,これらの間を埋める位置づけで本書の執筆を意図した.
具体的には,本書は図書舘情報大学でのマルチメディアシステムの講義ノートをもとに,加筆修正をしたものである.しかしご存じのように,この分野の進歩は非常に速く,ある章を書き終えるともう新しい話題が登場して内容が古くなってしまうということも多々あった.講義では毎年新しい内容をもり込んで講義内容を変えていけばよいが,教科書の形ではそれはむずかしい.そのため,逆に刻一刻と内容が変わってしまう項目については,普遍的な事柄の記述にとどめた.
本書ではできるだけ多くの項目を網羅して,マルチメディアを論じる際にその基礎知識を得られるようにしたつもりである.そのため用語解説書的になってしまった部分もないではない.ただ,その事柄に少しでも興味をもっていただけたならば,より詳しい文献を探すことは容易であろう.
よく10人の人が集まれば10人のマルチメディア論があるといわれるが,たしかにこのように多岐にわたった項目を含むマルチメディアでは当然かもしれない.本書でもこれが唯一のマルチメディアであるということは必ずしも明確にしていないが,読者諸氏自ら各自のマルチメディア論が形成されれば望むところである.
現在のマルチメディア技術の進歩は確実にわれわれの生活様式をも変えつつある.誰でもが手軽にマルチメディア情報を提供でき,今まで一方通行的であった情報の流れを大きく変えた.実際,インターネット上の情報を見ていると,情報を発信したいというのは人間の本質なのではないかとも思うくらい多くの,そして一般の人達がマルチメディア情報を発信している.今までは発信したくても手頃な媒体がなかっただけなのかもしれない このことは,今後,もっと多くの人がマルチメディア情報を利用し,新しいサービス形態を提供していくことを示しているにちがいない.そのようなときに,本書が少しでもお役に立てるのであればうれしい次第である.
最後に,図書館情報大学教授,和光信也先生にはつね日頃有益な助言をいただき,心から感謝の意を表したい.また,東京電機大学出版局の植村八潮氏と松崎真理氏には本書を出版する機会を与えていただき,有益なご助言も数多くいただいた.これらのかたがたに心から御礼申し上げたい.
1997年3月
松本紳
■第2版にあたって
第1版が世に出てから4年程の間に,マルチメディアを取り巻く環境はさらに急激に変わってきた.最近よくいわれるIT革命も,このマルチメディア技術の進歩なしではとうてい考えられない.第1版執筆時は,まだ実用化されていなかった多くの技術も,今では広く普及しているものもある.
第1版執筆時に予沸したことの多くが今や実現したことから,第2版といってもかなりの部分を加筆修正することとなった.特に画像・文字認識については,最新の情報を盛り込むべく,全面的に書き改めることにした.デジタル画像処理に使われる要素技術の内容と文字認識技術の全体像とが把握できるように配慮した.画像処理要素技術については,実際の処理結果を例示して,技術の目的や意義を強調し,文字認識技術については,認識理論の要約と認識技術の分類に重点をおいて解説した.他の箇所も第1版とは大幅に変わったところもある.たとえば,インターネット上のサービスについては,現在はWebが主流なので,Web以外のサービスについては大幅に削り,そのかわりにHTMLの解説を加えた.
第1版同様,今回もできるだけ数式を使うことなく,なるべく平易に解説したつもりであるが,そのためにかえって,説明不足になったり理解しづらくなったというところもあるかもしれない.また,今回もできるだけ普遍的なことを中心に書いたつもりではあるが,この分野の進歩の速さを思うと,出版時には,すでに過去の事柄になってしまうものもあるかもしれない.その点は,この分野の特殊性ということでどうかご容赦願いたい.
なお,執筆分担は以下のとおりである.3章と4章の一部を小高和己が担当し,他の章は松本紳が担当した.
最後になったが,第3章で例示した結果は,小高裕和氏の撮影による上高地・焼岳の写真をスキャナで取り込み,自作プログラムで処理したものである.写真を提供していただいたことを記しここに感謝申し上げる.また,第1版時と同様に東京電機大学出版局の植村八潮氏と松崎真理氏には有益なご助言をいただき,心から感謝の意を表したい.
2001年 初春
著者しるす
マルチメディアの主要項目を幅広く網羅し,技術的に解説した入門書。改訂にあたり,全面的に見直し,現状にあわせて更新した。特に7,8章は変化が激しい分野であり,7章はネットワーク,HTMLを強化,8章はeブック,電子ジャーナル等を追加した。また3章は画像と文字認識を中心に再構成した。
■はじめに
近年,マルチメディアという言葉をいたるところで目にするようになり,その関連図書もかなりでまわっている.しかし,それを講義しようとすると必ずしも適当な教科書がない.たとえば,工学系の教科書ではデジタル信号処理が中心であり,サービスとしてのマルチメディアについてはあまり述べられていない.逆に一般向けの図書ではサービス面が中心で,その原理については解説されていないことが多い.そこで,これらの間を埋める位置づけで本書の執筆を意図した.
具体的には,本書は図書舘情報大学でのマルチメディアシステムの講義ノートをもとに,加筆修正をしたものである.しかしご存じのように,この分野の進歩は非常に速く,ある章を書き終えるともう新しい話題が登場して内容が古くなってしまうということも多々あった.講義では毎年新しい内容をもり込んで講義内容を変えていけばよいが,教科書の形ではそれはむずかしい.そのため,逆に刻一刻と内容が変わってしまう項目については,普遍的な事柄の記述にとどめた.
本書ではできるだけ多くの項目を網羅して,マルチメディアを論じる際にその基礎知識を得られるようにしたつもりである.そのため用語解説書的になってしまった部分もないではない.ただ,その事柄に少しでも興味をもっていただけたならば,より詳しい文献を探すことは容易であろう.
よく10人の人が集まれば10人のマルチメディア論があるといわれるが,たしかにこのように多岐にわたった項目を含むマルチメディアでは当然かもしれない.本書でもこれが唯一のマルチメディアであるということは必ずしも明確にしていないが,読者諸氏自ら各自のマルチメディア論が形成されれば望むところである.
現在のマルチメディア技術の進歩は確実にわれわれの生活様式をも変えつつある.誰でもが手軽にマルチメディア情報を提供でき,今まで一方通行的であった情報の流れを大きく変えた.実際,インターネット上の情報を見ていると,情報を発信したいというのは人間の本質なのではないかとも思うくらい多くの,そして一般の人達がマルチメディア情報を発信している.今までは発信したくても手頃な媒体がなかっただけなのかもしれない このことは,今後,もっと多くの人がマルチメディア情報を利用し,新しいサービス形態を提供していくことを示しているにちがいない.そのようなときに,本書が少しでもお役に立てるのであればうれしい次第である.
最後に,図書館情報大学教授,和光信也先生にはつね日頃有益な助言をいただき,心から感謝の意を表したい.また,東京電機大学出版局の植村八潮氏と松崎真理氏には本書を出版する機会を与えていただき,有益なご助言も数多くいただいた.これらのかたがたに心から御礼申し上げたい.
1997年3月
松本紳
■第2版にあたって
第1版が世に出てから4年程の間に,マルチメディアを取り巻く環境はさらに急激に変わってきた.最近よくいわれるIT革命も,このマルチメディア技術の進歩なしではとうてい考えられない.第1版執筆時は,まだ実用化されていなかった多くの技術も,今では広く普及しているものもある.
第1版執筆時に予沸したことの多くが今や実現したことから,第2版といってもかなりの部分を加筆修正することとなった.特に画像・文字認識については,最新の情報を盛り込むべく,全面的に書き改めることにした.デジタル画像処理に使われる要素技術の内容と文字認識技術の全体像とが把握できるように配慮した.画像処理要素技術については,実際の処理結果を例示して,技術の目的や意義を強調し,文字認識技術については,認識理論の要約と認識技術の分類に重点をおいて解説した.他の箇所も第1版とは大幅に変わったところもある.たとえば,インターネット上のサービスについては,現在はWebが主流なので,Web以外のサービスについては大幅に削り,そのかわりにHTMLの解説を加えた.
第1版同様,今回もできるだけ数式を使うことなく,なるべく平易に解説したつもりであるが,そのためにかえって,説明不足になったり理解しづらくなったというところもあるかもしれない.また,今回もできるだけ普遍的なことを中心に書いたつもりではあるが,この分野の進歩の速さを思うと,出版時には,すでに過去の事柄になってしまうものもあるかもしれない.その点は,この分野の特殊性ということでどうかご容赦願いたい.
なお,執筆分担は以下のとおりである.3章と4章の一部を小高和己が担当し,他の章は松本紳が担当した.
最後になったが,第3章で例示した結果は,小高裕和氏の撮影による上高地・焼岳の写真をスキャナで取り込み,自作プログラムで処理したものである.写真を提供していただいたことを記しここに感謝申し上げる.また,第1版時と同様に東京電機大学出版局の植村八潮氏と松崎真理氏には有益なご助言をいただき,心から感謝の意を表したい.
2001年 初春
著者しるす
1章 序論
2章 音声情報
3章 画像情報処理
4章 画像・映像情報
5章 コンピュータクラフィックス(CG)
6章 大容量記録媒体
7章 インターネット
8章 電子図書・電子図書館
9章 マルチメディアサービス
2章 音声情報
3章 画像情報処理
4章 画像・映像情報
5章 コンピュータクラフィックス(CG)
6章 大容量記録媒体
7章 インターネット
8章 電子図書・電子図書館
9章 マルチメディアサービス