はじめての研磨加工

はじめての研磨加工

最先端技術分野における基幹技術として重要な「研磨加工」。その基礎知識や加工のメカニズムなどをわかりやすく解説した。

著者 安永 暢男
ジャンル 機械
出版年月日 2011/04/01
ISBN 9784501418809
判型・ページ数 A5・194ページ
定価 本体2,300円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

日本が世界に誇る「先端技術」を支えるのは,高度な精密加工技術であり,その精密加工技術の最終工程として不可欠なのが「研磨加工」である。研磨加工技術は最先端技術分野における基幹技術としてますます重要となってきている。本書は研磨加工の基礎知識や加工のメカニズムなどをわかりやすく解説し,最新の加工技術やこれからの技術についても書かれているので,系統的に知識を習得することができる。

 本書は2010年の初版発行以来,(株)工業調査会から刊行され,幸いにも長きにわたって多くの読者から愛用されてきました。このたび東京電機大学出版局から新たに刊行されることとなりました。本書が今後とも読者の役に立つことを願っています。
 2011年4月
 安永 暢男

 資源に乏しいわが国が「技術立国」を標榜して戦後復興を果たし,高度成長期を経て「技術大国」へ成長し得たのは,真面目で几帳面かつ指先が器用という国民性を活かした「モノづくり」に徹した結果といえる。1980年代後半には半導体をはじめとする先端技術で政界のトップに躍り出て,GDPも個人収入も世界で1,2を争うほどの高い水準に達した。しかしその後,土地バブルやITバブルなど非製造業での”金儲け”に走り,国力の源泉としての「モノづくり」をおろそかにした結果,バブル崩壊で一気に国力の低下を招いたのは記憶に新しい。その間,製造業は労働賃金の安い中国などアジア諸国への工場シフトを進めたために国内産業の空洞化が生じ,従業員を大切に育て,技術・技能を進化継承させるというこれまでの「モノづくりの基盤」を放棄する傾向を強めていった。最近になってようやくこの弊害に気づき,若干改善の兆しも見えるが,憂慮される状況は依然続いている。自前の「モノづくり」を軽視すればやがて没落することはこれまでの歴史が教えているところであり,「モノづくり」は今後も世界の健全な発展の基盤と位置づけられるべきであろう。
 その「モノづくり」のベースとなるのはハード技術であり,さらにそのハード技術のベースとなるのは高機能・高性能な素材と素材特性を十二分に発揮させるための高度な精密加工技術であることは言うまでもない。その高度な精密加工技術の特に最終工程として不可欠なのが「研磨加工」である。特にシリコンデバイスを中心とする半導体素子,HDDやDVDなどの磁気・光記録・記憶部品,レンズ・反射鏡などの光学部品,LEDや太陽電池など省エネ・クリーンエネルギー関連部品など最先端技術で使われる部品のほとんどに,超精密研磨技術が適用されている。有史以来最も古い技術とされる「研磨加工」ではあるが,実は現在の最先端技術分野においても不可欠な基幹技術としてますますその重要性を増している。では,最近の研磨技術についてわかりやすくまとめた入門書や解説書があるかというと意外と見当たらない,というのが実情のようである。本書は,精密工学分野の研究開発現場で素子・部品の試作開発に従事している技術者・研究者,これから精密加工技術の勉強を始める予定の大学院生や若い技術者・研究者を主対象に,精密工学としての「研磨技術」について系統的にわかりやすくまとめた入門書である。
 「研磨」は古くからの技術であり,長い歴史の中で宝飾品や刀剣類の研磨を中心に多種多様な方式や材料が利用されてきた。近代産業においてもバレル研磨,バフ研磨,ブラスト研磨など艶出し(光沢付与)やバリ取りを主たる目的とする研磨技術が広く使われている。それぞれに昔から受け継がれてきた幾多の知恵やノウハウがあり,専門図書も多い。本書は,これらとは一線を画し,最近の先端工学分野において寸法精度・形状精度を必要とする精密技術としての「研磨加工技術」を主たるターゲットとして,基礎知識から最新技術の動向まで系統的に解説しようと試みたものである。特にこれから研磨技術に携わろうとされる方には,先入観なく新しい技術に挑戦して新たな可能性を切り開いていただきたいとの思いも強く,本書をその一助にしていただければ望外の喜びである。
 本書の出版に当たっては多くの諸先輩の論文やデータを利用・引用させていただいた。また現役の若い研究者・技術者の方々にもご協力いただいた。ここに深甚の謝意を表する。
 最後に本書出版の機会を与えてくださり,編集において幾多のご助言,ご協力をいただいた(株)工業調査会,書籍編集部の森永喜司雄氏および辻亜弥子氏に感謝申し上げる。
 2010年3月
 安永 暢男
第1章 研磨加工とは
 1.1 精密工学・工業における研磨加工の意義と効用
 1.2 精密加工における研磨加工の位置づけ
 1.3 「研削加工」と「研磨加工」の違い
 1.4 研磨加工の歴史的発展経緯
第2章 研磨加工の基礎
 2.1 研磨加工の種類
 2.2 研磨加工に用いられる砥粒
 2.3 研磨加工に用いられる工具
 2.4 研磨装置
第3章 粗研磨加工
 3.1 ラッピング加工
 3.2 超仕上加工
 3.3 ホーニング加工
 3.4 研磨布紙加工
第4章 ポリシング加工の基礎
 4.1 ポリシングの基本メカニズム
 4.2 ポリシング加工方式の分類と概要
 4.3 金属材料のポリシング事例
 4.4 非金属材料のポリシング事例
第5章 最近の超精密ポリシング
 5.1 超精密ポリシングの特徴とニーズ
 5.2 メカニカルポリシング(Mechanical Polishing)
 5.3 ケミカル・メカニカルポリシング(Chemical and Mechanical Polishing:CMP)
 5.4 ケモメカニカルポリシング(Chemo-mechanical Polishing)
 5.5 メカノケミカルポリシング(Mechanochemical Polishing)
 5.6 EEM(Elastic Emission Machining)
 5.7 ケミカルポリシング
 5.8 ポリシングにおける化学反応の特異性
 5.9 デバイスウエハの平坦化CMP
第6章 これからの研磨加工
 6.1 遊離砥粒研磨法の新たな方式
 6.2 次世代技術としての固定砥粒研磨法
 6.3 砥粒レス研磨法の新たな可能性

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