初めて学ぶ 現代制御の基礎

初めて学ぶ 現代制御の基礎
著者 江口 弘文
大屋 勝敬
ジャンル 機械
シリーズ 初めて学ぶ
出版年月日 2007/06/01
ISBN 9784501416300
判型・ページ数 A5・192ページ
定価 本体2,300円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

現代制御理論の入門書.

 本書は先に東京電機大学出版局から出版した『初めて学ぶPID制御の基礎』の姉妹編である.前著ではラプラス変換を基礎にした古典制御理論について高専から学部の学生を対象に解説したが,本書では線形代数学を基礎にした現代制御理論について解説した.ここでいう現代制御理論とはLQ理論(Linear Quadratic Theory)を基本にした最適制御理論のことである.「初めて学ぶPID制御の基礎」と併せて制御理論の入門書として活用していただければ幸いである.
 1960年代以降急速に発展してきた現代制御理論は,数学に偏りすぎて難解になったという実感をもった研究者が少なくなかったと思う.また同時に,設計現場の技術者の間では,学者の最適制御理論賛歌とはうらはらに,最適制御理論は使いにくいもの,現実の役には立たないものというイメージが広がったのも事実だろう.しかし近年のコンピュータ技術の目覚ましい進歩は従来の単純なPID制御よりも格段に複雑で実用的な制御を可能にしている.これからの制御技術者は最適制御を知らないというわけにはいかないし,現実の仕事の中で最適制御に遭遇することも少なくはないはずである.中でもLQ最適制御理論はすでに制御技術者にとって必須の基礎知識になっているのである.
 本書は,そのような観点から,現代制御理論を初めて学ぶ学生の入門書として例題を多用しながら平易に解説した.第1章から第3章までが現代制御理論を学ぶための基礎知識,第4章から第6章までが最適制御への導入部である.そして第7章では最適制御の一つの例題としてLQ理論による加速度制御問題を取り上げている.第3章までを江口が,残りの部分は大屋が担当した.
 また,前著『初めて学ぶPID制御の基礎』と同様に,本書の例題で用いたExcelVBAプログラムを東京電機大学出版局のウェブページ(http://www.tdupress.jp/)で公開している.最適制御問題を解く際に必要となるリカッチ型微分方程式を解くプログラムも併せて提示しているので,大いに活用していただければ幸いである.
 最後に,著者が制御工学を志して以来一貫して丁寧なご指導を賜っている山下忠九州工業大学名誉教授,職場の先輩後輩として常に切磋琢磨してきた久保英彦氏(現多摩川精機株式会社顧問),また.『MATLABによる誘導制御系の設計』以来,出版に際し貴重なご指導をいただいている東京電機大学出版局植村八潮氏,詳細な校正をいただいた吉田拓歩氏に心から感謝いたします.

 2007年5月
 著 者

◆書籍関連情報◆


関連ファイルのダウンロード

◆正誤表◆


正誤表のダウンロード
第1章 線形代数学の基礎
 1.1 行列とベクトル
 1.2 行列式
 1.3 逆行列
 1.4 ペクトルの一次独立と行列の位
 1.5 固有値と固有ベクトル
 1.6 行列の対角化
 1.7 二次形式
     章末問題
第2章 システムの状態表現
 2.1 現代制御理論の背景
 2.2 状態方程式によるシステムの表現
 2.3 システム方程式と伝達関数の関係
 2.4 伝達関数からシステム方程式への変換
     章末問題
第3章 線形系の応答
 3.1 システム方程式の解
 3.2 ラプラス変換による方法
 3.3 システム行列の対角化による方法
 3.4 ケーリー・ハミルトンの定理による方法
     章末問題
第4章 システムの安定性と可制御性・可観測性
 4.1 システムの安定性
 4.2 漸近安定性の判定法
 4.3 可制御とは?可観測とは?
 4.4 可制御性と可観測性のチェック法
     章末問題
第5章 フィードバックによる漸近安定化
 5.1 制御系の基本的な構成
 5.2 一次システムの漸近安定化
 5.3 二次システムの漸近安定化
 5.4 n次システムの漸近安定化
     章末問題
第6章 出力フィードバックと状態オブザーバ
 6.1 出力フィードバック
 6.2 状態オブザーバ
 6.3 状態オブザーバを用いた状態フィードバック制御
     章末問題
第7章 最適制御
 7.1 リカッチ方程式
 7.2 最適制御システムの設計
     章末問題
章末問題の解答
参考文献
索引

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめ書籍

お知らせ

一覧