詳解 EMC工学

実践ノイズ低減技法

詳解 EMC工学

20年ぶりの大改訂!電子機器の設計者に欠かせない知識と技術について、理論的な説明から実践的な説明までを一冊にまとめた。

著者 ヘンリー・オットー
出口博一 監訳
田上雅照 監訳
高橋丈博 監訳
ジャンル 電子・通信
出版年月日 2013/06/01
ISBN 9784501329709
判型・ページ数 B5・656ページ
定価 本体9,500円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

20年ぶりの大改訂!現在の最新技術に即した形で解説。電子機器の設計者には欠かせない知識と技術について、理論的な説明から実践的な説明までを一冊にまとめた。原著者はEMC分野の第一人者。

 本書は前著『Noise Reduction Techniques in Electronic Systems』の3版として書き始めたが,内容が豊富になったのでタイトルも変更した。原著の12章のうち9章を完全に書き直した。さらに,新しく6章を追加し,付録を新しく2章追加し,600ページが新しいか,改訂された部分である(新しい図342枚を含む)。
 新しい題材の大部分はElectromagnetic Compatibility(EMC)Engineeringの理論を実際の回路に適用することに関している。それは,EMCコンサルタントとしての私の経験と,20年以上にわたるEMC訓練セミナー教育実績に基づくもので,実際の役に立つものである。
 設計技術者が直面する困難な問題はEMC(電磁環境両立性)と規格適合問題である。これらの問題は,通常学校では教えられないので,技術者の多くは,これらの問題の取り扱いに苦労する。しかしそのような努力は非常に時間の浪費であり,その解決策は不満足なものであることが多い。
 それは不幸なことと言わざるを得ない。EMC問題に含まれる原理の大部分は単純かつ基礎的物理で説明できるからである。本書はこのように理論的な背景から問題を理解することを意図して書かれいる。
 本書は,電子機器やシステム設計で,EMCと規格適合問題に直面する実務技術者のものである。この本はEMCエンジニアリングの実務に焦点を置き,EMC放射とEMCイミュニティの両者をカバーしている。本書の内容は,低い周波数は可聴周波数帯から高い周波数はGHz帯までカバーしており,アナログ回路とデジタル回路の両方に適用できる。本書の力点の一つは費用対効果の高いEMC設計であり,数学的な厳密さは極力少なくした。本書により,電磁環境に適合する電子機器設計と国内,国際EMC規制に適合する電子機器設計の知識を習得することができる。
 本書は電磁環境適合性に関する上級レベルや生涯学習教育コースでの教科書としても使用できる。各章の終わりに理解度判定用の問題を251用意し,略解は付録Fに記載した。
 本書は二部構成からなり,第Ⅰ部はEMC理論で第1章~第10章,第二部はEMC応用編で第11章~第18章からなる。さらに6つの付録を含む。
 本の構成は以下の通り。
 第1章:電磁環境適合性に関する導入部で,国内,国際EMC規格,ヨーロッパ連合規格,FCCと米軍規格を含む。
 第2章:電磁界のケーブル結合とクロストーク,および遮蔽と接地法。
 第3章:安全,電力,信号とハードウェア/システムの接地法。
 第4章:バランス法,フィルタリング法,差動アンプ,低周波アナログ回路のデカップリング。
 第5章:受動素子と性能に影響する素子の非理想的特性,抵抗,コンデンサ,インダクタ,フエライトビーズ,導体と伝送線路を含む。
 第6章:金属シートとプラスチックの導電塗装の遮蔽効果の解析と遮蔽効果に対する開口部の影響。
 第7章:リレーとスイッチの接点保護。8章と9章は部品と能動素子の内部ノイズ源を論議する。
 第8章:部品固有のノイズ源,熱雑音,ショット雑音。
 第9章:能動素子のノイズ源。
     第10章,第11章,第12章はデジタル回路に付随する電磁環境適合性をカバーする。
 第10章:デジタル回路の接地を検証,グランドプレーンのインピーダンスとデジタル論理回路の電流の流れを論議。
 第11章:デジタル回路の電源分配とデカップリング。
 第12章:デジタル回路の放射メカニズム,コモンモードと差動モード。
 第13章:交流と直流電源線上の伝導雑音,およびスイッチング電源,可変速モータドライブに伴うEMC問題。
 第14章:無線周波と過渡イミュニティおよび電磁環境の論議。
 第15章:電子機器設計における静電気放電に対する保護を扱い,三方面からのアプローチすなわち機械的,電気的,ソフトウェア設計の重要性に焦点を当てている。
 第16章:プリント基盤の配置と積層法。
 第17章:ミックスドシグナル(アナログとデジタル)回路基板の仕切り,接地と配置の困難な問題を扱う。
 第18章:事前適合EMC測定法,製品開発の実験室で簡単,安価な測定装置を用いて測定可能とする測定法に関し,製品のEMC性能に結びつく。
 各章の終りには,その章で論議した最も重要な点の要約と読者の訓練用として多くの問題を提示した。また,主題に関する追加情報を必要とする人の為に,各章に参考文献と参考書を掲載している。
 補充の情報が6個の付録に含まれている。
 付録A:デジベル。
 付録B:製品からの放射を最大にする10の方法。
 付録C:薄い遮蔽の中での磁界の多重反射を導く方程式。
 付録D:”皆に分かるダイポール(Dipolse for Dummies)”はダイポールアンテナがどのように機能するかの単純,洞察力に満ちた,直感的な論議。製品が電磁エネルギーを拾い上げ,放射するとき,それはアンテナである。したがって,基本的なアンテナ理論の理解は,全ての技術者特にEMC技術者にとって助けになる。
 付録E:重要であるが良く理解されていない,部分インダクタンスについて説明する。
 付録F:各章の末尾に掲載した問題の答えを提供する。

『Noise Reduction Techniques in Electronic Systems』を読んでコメントを寄せてくださったすべての人達に感謝したい。また,私に本書を書くことを勧めてくれた人達にも感謝の気持ちを捧げたい。John Cells,Bob German,Dr.Clayton Paul,Mark SteffkaとJim Brownの諸氏には特に感謝したい。本原稿の重要な部分に対し洞察力に富むレビューを寄せて下さり,EMCに関する実り多き論議と励ましをいただいた。諸氏のおかげで本書を良い本の一つになった。
 本原稿の一部はMichigan-Dearborn大学でMark Steffkaが教えたElectromagnetic Compatibilityのクラスで2007年と2008年の各セメスターで使用された。これら2クラスの学生は多数コメントと示唆をくれたので,私の心からの感謝を彼らに捧げたい(これらのコメントの多くは本書に反映されている)。特に,本書に入れた追加問題では彼らの助言は大きかった。さらに,James Styles氏に感謝する。Mark Steffkaと私の二人でStyles氏のコメントは最も有益なものであったと意見が一致する。
 最後に,本原稿の各所レビューに時間を割いてくれ,有益なコメントと示唆を頂いた,私のすべての同僚に感謝します。
 追加の技術情報,EMCに関する最新情報と本書に関する誤記訂正はHenry Ott ConsultantsのWebサイト(http://www.hottconsultants.com)にあります。

 Henry W.OTT
 Livingston,New Jersey
 January 2009
第1章 電磁環境両立性
 1.1 はじめに
 1.2 ノイズと妨害
 1.3 電磁環境両立性のための設計法
 1.4 設計図面とEMC
 1.5 米国のEMC規制
 1.6 カナダのEMC要件
 1.7 欧州連合(EU)のEMC要件
 1.8 国際的な整合
 1.9 軍用規格
 1.10 航空電子機器
 1.11 規制のプロセス
 1.12 代表的なノイズ経路
 1.13 ノイズ結合の方法
 1.14 その他のノイズ源
 1.15 回路理論の使用
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第2章 ケーブル配線
 2.1 容量性結合
 2.2 容量性結合におけるシールドの効果
 2.3 誘導性結合
 2.4 相互インダクタンスの計算
 2.5 磁気結合におけるシールドの効果
 2.6 磁界放射を防ぐためのシールド
 2.7 磁界に対するレセプタのシールド
 2.8 シールドの共通インピーダンス結合
 2.9 実験データ
 2.10 選択シールドの例
 2.11 シールドの伝達インピーダンス
 2.12 同軸ケーブルとツイストペア線
 2.13 編組シールド
 2.14 らせんシールド
 2.15 シールドの終端
 2.16 リボンケーブル
 2.17 電気的に長いケーブル
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第3章 グラウンド接続
 3.1 交流電力分配と保安グラウンド
 3.2 信号グラウンド
 3.3 装置やシステムのグラウンド接続
 3.4 グラウンドループ
 3.5 コモンモードチョークの低周波解析
 3.6 コモンモードチョークの高周波解析
 3.7 回路に対する一点グラウンド基準
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第4章 平衡化とフィルタリング
 4.1 平衡化
 4.2 フィルタリング
 4.3 電源のデカップリング
 4.4 容量性負荷の駆動
 4.5 システム帯域幅
 4.6 変調と符号化
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第5章 受動素子
 5.1 コンデンサ
 5.2 インダクタ
 5.3 トランス
 5.4 抵抗器
 5.5 導線
 5.6 伝送線路
 5.7 フェライト
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第6章 シールディング
 6.1 近傍界と遠方界
 6.2 特性インピーダンスと波動インピーダンス
 6.3 シールド効果
 6.4 吸収損失
 6.5 反射損失
 6.6 吸収,反射の複合損失
 6.7 シールド方程式の要約
 6.8 磁性材料によるシールド効果
 6.9 実験データ
 6.10 開口部
 6.11 遮断周波数以下の導波管
 6.12 導電性ガスケット
 6.13 ”理想的な”シールド
 6.14 導電性の窓
 6.15 導電性塗装
 6.16 内部シールド
 6.17 空洞共振
 6.18 シールドのグラウンド接続
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第7章 接点の保護
 7.1 グロー放電
 7.2 金属蒸気放電またはアーク放電
 7.3 交流回路と直流回路
 7.4 接点の材料
 7.5 接点の定格
 7.6 突入電流の大きい負荷
 7.7 誘導性負荷
 7.8 接点保護の基礎
 7.9 誘導性負荷での過渡現象の抑圧
 7.10 誘導性負荷の接点保護回路
 7.11 トランジスタスイッチで抑制される誘導性負荷
 7.12 抵抗性負荷での接点保護
 7.13 接点保護の選択指針
 7.14 例
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第8章 固有雑音源
 8.1 熱雑音
 8.2 熱雑音の特性
 8.3 等価雑音帯域幅
 8.4 ショット雑音
 8.5 接触雑音
 8.6 ポップコーン雑音
 8.7 雑音電圧の加算
 8.8 ランダム雑音の測定
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第9章 能動素子のノイズ
 9.1 ノイズ指数(ノイズファクタ)
 9.2 ノイズ指数の測定
 9.3 ノイズ指数からS/Nと入力ノイズ電圧を計算する方法
 9.4 ノイズ電圧とノイズ電流モデル
 9.5 VnとInの測定
 9.6 Vn-Inによるノイズ指数とS/Nの計算
 9.7 最適なソース抵抗
 9.8 直列段のノイズ指数
 9.9 ノイズ温度
 9.10 バイポーラトランジスタのノイズ
 9.11 電界効果トランジスタのノイズ
 9.12 オペアンプのノイズ
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第10章 デジタル回路のグラウンド接続
 10.1 周波数領域と時間領域
 10.2 アナログ回路とデジタル回路
 10.3 デジタル論理ノイズ
 10.4 内部ノイズ源
 10.5 デジタル回路のグラウンドノイズ
 10.6 グラウンド電流分布とインピーダンス
 10.7 デジタル論理電流の流れ
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第11章 デジタル回路の電源分配
 11.1 電源供給のデカップリング
 11.2 過渡的な電源電流
 11.3 デカップリングコンデンサ
 11.4 効果的なデカップリング戦略
 11.5 放射に対するデカップリングの効果
 11.6 デカップリングコンデンサのタイプと容量
 11.7 デカップリングコンデンサの配置と搭載
 11.8 大容量デカップリングコンデンサ
 11.9 電源入力フィルタ
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第12章 デジタル回路の放射
 12.1 差動モード放射
 12.2 差動モード放射の抑制
 12.3 コモンモード放射
 12.4 コモンモード放射の抑制
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第13章 伝導妨害波
 13.1 電源線インピーダンス
 13.2 スイッチング電源
 13.3 パワーラインフィルタ
 13.4 1次側から2次側へのコモンモード結合
 13.5 周波数ディザリング
 13.6 電源の不安定性
 13.7 磁界放射
 13.8 可変速モータドライブ
 13.9 電源高調波の抑制
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第14章 RFとトランジェントのイミュニティ
 14.1 性能判定基準
 14.2 RFのイミュニティ
 14.3 トランジェントのイミュニティ
 14.4 電源線妨害
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第15章 静電気放電
 15.1 静電気の発生
 15.2 人体モデル
 15.3 静電気放電
 15.4 機器設計におけるESD保護
 15.5 ESDの侵入防止
 15.6 敏感な回路の強化
 15.7 ESDのグラウンド接続
 15.8 グラウンドのない製品
 15.9 誘導された場による乱れ
 15.10 トランジェントに強いソフトウェア設計
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第16章 PCBのレイアウトと層構成
 16.1 一般的PCBレイアウトの考慮事項
 16.2 PCBとシャーシのグラウンド接続
 16.3 リターン経路の不連続性
 16.4 PCBの層構成
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第17章 ミックスドシグナルPCBのレイアウト
 17.1 グラウンドプレーンの分割
 17.2 マイクロストリップグラウンドプレーンの電流分布
 17.3 アナログとデジタルのグラウンドピン
 17.4 どのようなとき,分割グラウンドプレーンを使用すべきか?
 17.5 ミックスドシグナルIC
 17.6 高分解能のA/DコンバータとD/Aコンバータ
 17.7 A/DコンバータとD/Aコンバータの周辺回路
 17.8 垂直分離
 17.9 ミックスドシグナルの電源分配
 17.10 工業プロセス制御装置(IPC)の問題
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
第18章 事前適合EMC測定法
 18.1 試験環境
 18.2 アンテナかプローブか
 18.3 ケーブル上のコモンモード電流
 18.4 近傍界の測定
 18.5 ノイズ電圧の測定
 18.6 伝導ノイズの測定
 18.7 スペクトラム・アナライザ
 18.8 EMC処置用台車
 18.9 1m放射ノイズ測定
 18.10 事前適合イミュニティ試験
 18.11 事前適合の電源品質試験
 18.12 マージン
 要約
 問題
 参考文献
 参考図書
付録A デジベル
 A.1 対数の性質
 A.2 電力測定以外でのデジバルの利用
 A.3 電力損失・負の電力利得
 A.4 電力の絶対レベル
 A.5 デジタル表示した電力の加算
付録B 製品からの放射を最大にする10の方法
付録C 薄いシールドでの磁界の多重反射
付録D みんなにわかるダイポールアンテナ
 D.1 みんなにわかるダイポールアンテナの初級編
 D.2 みんなにわかるダイポールアンテナの中級編
 D.3 みんなにわかるダイポールアンテナの上級編
付録E 部分インダクタンス
 E.1 インダクタンス
 E.2 ループインダクタンス
 E.3 部分インダクタンス
 E.4 グラウンドプレーンのインダクタンスの測定試験配置
 E.5 インダクタンスの表記について
 要約
 参考文献
 参考図書
付録F 問題の解答
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