電子戦の技術 基礎編

電子戦の技術 基礎編

現代型の戦争において重要かつ基本的な技術として必要とされるレーダー技術と無線通信技術に関する技術解説書。

著者 デビッド・アダミー
河東晴子
小林正明
阪上廣治
徳丸義博
ジャンル 電子・通信
出版年月日 2013/04/01
ISBN 9784501329402
判型・ページ数 A5・382ページ
定価 本体4,200円+税
在庫 在庫あり

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電子戦(Electronic Warfare)とは、電波・電磁波を活用した軍事活動の総称である。本書は、現代型の戦争において重要かつ基本的な技術として必要とされるレーダー技術と無線通信技術に関する技術解説書である。電子戦技術を現場で使えるものとするための実践的なテキストとして各方面で利用されている。

 本書を電子戦(EW)を専門とする職業にある軍や民の私の仲間に捧げる.
 読者の何人かは再三にわたり危うい道に入り込み,なかには普通の人の理解を越えることをなそうとたびたび夜中まで長時間働いてきた人も多い.
 われわれの職業は変わってはいるがやりがいのある職業であり,われわれのうちのほとんどは,他の職業に従事することなど想像すらできないのである.

序文
 EW101は,ジャーナル・オブ・エレクトロニックディフェンス(Journal of Electronic Defense;JED)誌において,月々わずか2ページの中でEWのさまざまな側面を数年間にわたって取り上げてきた一般向けのコラムである.ある特定のコラムがなぜ人気があるのか実際のところ誰にもわからないが,このコラムが幅広い人々の役に立つレベルに達しているからであろうと思われる.本書は,連載コラムのうちの初めの60編の資料を盛り込んでおり,連続性を持たせるためにいくつかの追加資料を含めた章に分けてある.
 本書が対象とする読者は,新入のEW専門家,EWの特定分野の専門家,およびEW周辺技術分野の専門家である.対象とするもう一つのグループは,かつては技術者であった管理者たちのうち,(物理法則を破ろうと試みているかもしれないし,あるいは試みていないかもしれない)他者からの意見をもとに直ちに意思決定する必要がある管理者たちである.概して本書は,概観,基礎の理解,および一般レベルの計算能力が役に立つという人々を対象にしている.最後に,本書はEW101コラム一式(その部分は探し出すのが難しい)を集めようとしてきた多くの方々への一つの回答である.
 本書が印刷に回っている間も,JED誌のEW101コラムは続いている.EWは領域が広く,そのため,今後さらに数年間にわたって話したいことがたくさんある(先々の本書のシリーズ版に期待してほしい).
 本書が読者の仕事に役立ち,読者の時間や取り越し苦労を省くとともに,時々は読者の手間がかからないための助けになることを心から願っている.

訳者序文
 著者による序文にもあるように,本書はAOC(Association of Old Crows)の機関紙であるJEDの連載コラムを加筆修正してまとめられたものであり,教科書として書き下ろされたものではない,しかし,一貫して現場での作業に携わってきた著者の,とにかく現場で使えること,という実学の教科書としての狙いは素晴らしい.昼夜を分かたず働き続けてきた電子戦技術者としての著者の誇りや,しかも「どの仕事も楽しかったよ.どうしてかわからないけど」と,明るく課題を解決してきた姿勢は学ぶべきことが多い.著者独特のユーモアは伝えきれなかったところもあるが,本書によって電子戦技術の基礎を理解していただけると思う.
 本書の作成にあたってお世話になった多くの人々に心から感謝の意を表したい.まず,親切な助言をくれ,日本語版出版にあたっての序文を書いてくれた著者デイブ・アダミー氏に感謝する.次に,この翻訳出版をサポートしてくれた各氏に感謝する.さらに一般に馴染みの薄い分野の出版を受け入れてくれた東京電機大学出版局の菊地・浦山両氏,細かい修正を行ってくれたグラベルロードの伊藤氏に感謝する.
第1章 序論
第2章 基本的数学概念
 2.1 dB値および方程式
 2.2 すべてのEW機能に使われる伝搬式(回線方程式)
 2.3 実際のEW用途における回線の問題
 2.4 球面三角形の関係式
 2.5 EWへの球面三角法の適用
第3章 アンテナ
 3.1 アンテナの各種パラメータとその定義
 3.2 アンテナの種類
 3.3 パラボラアンテナにおけるパラメータのトレードオフ
 3.4 フェーズドアレイアンテナ
第4章 受信機
 4.1 クリストアルビデオ受信機
 4.2 IFM受信機
 4.3 周波数同調受信機
 4.4 スーパーヘテロダイン受信機
 4.5 固定同調受信機
 4.6 チャネライズド受信機
 4.7 ブラッグセル受信機
 4.8 コンプレッシブ受信機
 4.9 デジタル受信機
 4.10 受信機システム
 4.11 受信感度
 4.12 FM感度
 4.13 デジタル感度
第5章 EW処理
 5.1 処理作業
 5.2 諸元の値の決定
 5.3 パルス列分離
 5.4 オペレータインタフェース
 5.5 現代の航空機のオペレータインタフェース
 5.6 戦術ESMシステムのオペレータインタフェース
第6章 捜索
 6.1 定義およびパラメータの制約
 6.2 狭帯域周波数の捜索方法
 6.3 信号環境
 6.4 ルックスルー
第7章 LPI信号
 7.1 LPI信号
 7.2 周波数ホッピング信号
 7.3 チャープ信号
 7.4 直接拡散式スペクトル拡散信号
 7.5 いくつかの実際的考慮事項
第8章 電波源位置決定
 8.1 電波源位置決定の役割
 8.2 電波源位置決定のための幾何学
 8.3 電波源位置決定の精度
 8.4 振幅利用による電波源位置決定
 8.5 インターフェロメータによる方探
 8.6 干渉法による方探
 8.7 ドップラの原理を使用した方探
 8.8 電波到来時刻による電波源の位置決定
第9章 妨害
 9.1 妨害の分類
 9.2 妨害対信号比
 9.3 バーンスルー
 9.4 カバー妨害
 9.5 距離欺まん妨害
 9.6 逆利得妨害
 9.7 AGC妨害
 9.8 速度ゲート引き出し
 9.9 モノパルスレーダに対する欺まん技法
第10章 デコイ
 10.1 デコイの形式
 10.2 レーダ断面積と反射電力
 10.3 パッシブデコイ
 10.4 アクティブデコイ
 10.5 飽和デコイ
 10.6 セダクションデコイ
 10.7 交戦のための効果的なRCS
第11章 シミュレーション
 11.1 定義
 11.2 コンピュータシミュレーション
 11.3 先頭シナリオモデル
 11.4 オペレータインタフェースシミュレーション
 11.5 オペレータインタフェースシミュレーションの実施上の考慮事項
 11.6 エミュレーション
 11.7 アンテナのエミュレーション
 11.8 受信機のエミュレーション
 11.9 脅威のエミュレーション
 11.10 脅威アンテナパターンのエミュレーション
 11.11 複数信号のエミュレーション
付録:EW101連載コラムとの相互参照
補遺:用語集
和文索引
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