プラクティスデジタル信号処理

プラクティスデジタル信号処理
著者 イブ・トーマス
中村 尚五
ジャンル 全て
電子・通信
出版年月日 1995/01/01
ISBN 9784501317300
判型・ページ数 A5・216ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

例題をくり返し演習することで短期間で効率よく習得できるように編集した。

<まえがき>
 信号やデータをデジタル的に取り扱う技術は,パーソナルコンピュータの出現と時期をあわせ急速に広がってきた。計測システムにはじまり,デジタル通信,オーディオ,あるいは種々の家庭電化製品のほとんどすべてにデジタル信号処理の技術が用いられている。さらに工科系の分野のみならず,経済学や社会学など,およそデータを扱う分野では,デジタル信号処理の技術は不可欠の技術となっている。
 このようなニーズからデジタル信号処理に関する専門書が,数多く出版されている。デジタル信号処理のように,時には難しい印象を与えるアルゴリズムでは,理論よりはじめにその全体像を十分に理解し,その上で実際的な応用について学ぶことが多い。筆者の一人の中村もこの考えから,全体像の理解を第一の目的とした入門書が必要と思い,『ビギナーズシリーズ』としてかつて執筆させていただいた。
 アルゴリズムを学ぶもう一つの,しかも効率的な手法として,本書のように基本となっている例題を繰り返し練習する方法がある。短期間での習得を望む人、あるいは基礎的な理解力がある人やすでに周辺の技術に携わっている人にとって,より実践的な学習方法である。
 本書の個々の例題はシンプルではあるが,アルゴリズムの重要なエッセンスが含まれており,読者はこれを解くことによってデジタル信号処理の全体像を理解することができる。
 本書をまとめることになったのは,昨年の春トーマスが来日した際、執筆したばかりの本を中村研究室に留学していたナント大学大学院生のために持参したことがきっかけとなった。それらはナント大学で信号処理のコースブックとして使用するために書いたもので,信号処理を解説したテキストと,問題と詳解からなる演習書であった。
 このようなスタイルのテキストが無かったため,それをコンパクトなワークブックとして1冊にまとめると良いのではないかと,中村がトーマスに相談したことが,本書の共同執筆の発端である。実際の作業としてはトーマスが自著を英訳し,それを練習問題として利用し,中村が日本の読者にあうスタイルに執筆した。
 本書は7章からなり,1章から5章までがデジタル信号処理の解説と詳しい解説を付けた例題である。各章末の問題にはレベルの高いものも含まれているが,解答を巻末に詳しく解説しており,独学する際に大きな助けとなるであろう。
 6章と7章は,実際にデジタル信号処理システムを構築していく例を解説した。これは中村の研究室で行った研究内容で,最近のジャーナルに発表した物の中から一部をわかりやすく解説したものである。高度の技術を達成するのにも極めて基本的な技術や考えが利用されていることがわかる。基本的なことを十分に理解すると,それらを応用することによって新しい発展が得られることを体験していただきたい。
 研究に関係した東京電機大学信号処理研究室に所属する大学院生,小濱隆司君,兎本勇雄君,佐宗晃君らにはプログラム開発,計算機シミュレーション等で多くの能力を得た。また,東京電機大学出版局の植村八潮氏には読みにくい原稿をまとめるために多大の労力をおかけした。紙面を借りてご協力下さった諸氏に心から感謝の意を表したい。  
1994年12月
著者ら記す
第1章 アナログ信号処理の基礎
第2章 離散的信号とその処理
第3章 信号のサンプリング
第4章 IIRデジタルフィルタ
第5章 FIRデジタルフィルタ
第6章 信号処理の実例
第7章 信号圧縮の応用例
付録

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