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 デジタルプリンタ技術

インクジェット

工業・工学

日本画像学会(編) / 藤井 雅彦(監修)

A5判  276頁 並製
 3,100円+税
ISBN 978-4-501-62340-1 C3072
在庫あり

奥付の初版発行年月 2008年09月
書店発売日 2008年09月12日

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目次

第1章 インクジェットの分類と歴史
 1.1 インクジェット方式の分類と特徴
 1.2 インクジェットの歴史
第2章 プリントヘッド技術
 2.1 サーマルインクジェット
 2.2 ピエゾインクジェット
 2.3 連続噴射型インクジェット(荷電偏向制御型)
第3章 画像形成メカニズム
 3.1 ドット形成の概要
 3.2 インク滴のメディアへの着弾
 3.3 インク滴のメディアへの浸透
 3.4 ドット形成プロセスと画質欠陥
第4章 インク技術とプリント物の保存性
 4.1 インクの分類と特徴
 4.2 インクに要求される特性と設計
 4.3 水性染料インクと水性顔料インク
 4.4 溶媒系の非水系インクと無溶媒系インク
 4.5 インクジェットプリント物の保存性
第5章 メディア技術
 5.1 メディアの必要特性と分類
 5.2 産業用途におけるメディア
 5.3 インクジェットメディアの環境対応
第6章 画像形成技術
 6.1 インクジェット高画質化と画像処理技術
 6.2 色変換処理
 6.3 ハーフトレーニング
 6.4 インタレース処理
 6.5 まとめ
第7章 システム技術
 7.1 インクジェットプリンタの基本構成
 7.2 インク供給ユニット
 7.3 メンテナンス
 7.4 メディア搬送
 7.5 ラインプリンタ
 7.6 その他のシステム技術
第8章 高性能化への取り組み
 8.1 高画質化
 8.2 高速化
 8.3 画質,速度以外の性能向上
第9章 産業および工業応用
 9.1 産業用途への展開
 9.2 工業用途への展開

前書きなど

 日本画像学会の前身である電子写真が発足した1958年から10年後,インクジェット方式のプリンタが登場し,その後,日本画像学会の歩みとともに発展を遂げてきた。その間,技術者はインクジェットの基本プロセスがもつ特徴を徹底的に検証し,その可能性を伸ばしつづけてきた。その結果,パーソナルプリンタとしての地位を確固たるものとし,個人で気軽にプリント文化を享受することができるようになった。写真や高精細なドキュメントを個人で気軽にプリントできることは,私がインクジェットに従事した20年前にはとても考えられなかったことである。さらに,パーソナルな利用にとどまらずオフィスやデジタル印刷などのより高速なプリント市場へも,インクジェットプリンタは展開されようとしている。また,インクジェットによるプリント物の用途も広がり,屋外看板,捺染,パッケージや壁紙など,さまざまな生活シーンでインクジェットのプリンタ物に接する機会も増えた。
 このように,パーソナルなプリンタの利用から,さらなる高性能が要求される市場や新たな用途への展開など,新しいインクジェットの技術ステージが始まっている。このときこそ技術者はインクジェットの基礎に立ち返り,しっかりと足固めをして,新しいステージで必要とされているブレークスルーに取り組むべきである。
 これまで,インクジェットに関する研究や開発は,いわゆるプリンタメーカーとよばれる企業や,インク・メディア関連企業を中心に進んできた。したがって,インクジェットに関する技術情報は,これら企業内での蓄積が中心となり,技術論文や特許を除けば,あまり外に出ることもなく,ましてや体系的にまとめられたものはほとんどなかった。しかし,インクジェットの可能性がより広がり,プリント以外へのインクジェットの応用,たとえば生産技術への展開も始まり,これまでインクジェットになじみがなかった企業や技術者がインクジェットの知識を必要とするようになってきた。
 このように,インクジェットの基礎固めが求められ,また新たにインクジェットを学習する必要性が生まれてきた今日,そして日本画像学会の創立50周年という記念すべき年に,インクジェットの基本技術をまとめた本書が発刊されることはたいへん意義深いことである。
 本書は,日本画像学会インクジェット技術研究会メンバーを中心に,各技術領域で幅広い知見を持った方々に執筆をお願いした。執筆にあたり,執筆者間で企業の垣根を取り払って議論を進め,わかりやすく,そして中立で普遍的な内容に仕上がったと信じている。
 まず,1章ではインクジェットの各方式や歴史についてまとめ,インクジェットへの興味を深めてもらうとともに,技術書である本書への入り口と位置づけた。
 インクジェットのプロセスはシンプルであり,インクジェットを構成する要素技術をしっかり理解することが,インクジェット技術を会得するためにまず必要となる。このため,2章でプリントヘッド技術,4章でインク技術,5章でメディア技術,6章で画像処理をふくめた画像形成技術,そして,7章でシステム技術と,各要素について解説をした。
 インク滴はプリントヘッドから吐出され,メディア上にドット・画像を形成する。したがって,3章ではメディア上でインクがドットを形成するメカニズムの詳細と画質とのかかわりを解説し,3章以降の要素技術の理解を深めることをねらいとした。また,プリント物の保存性については,関連が深い4章で解説した。
 8章ではこれまでさまざまな努力がなされてきたインクジェットの高性能化への取り組みについてまとめ,あわせて今後の展望を述べた。
 先にも述べたようにインクジェットの可能性は,ドキュメントを出力するプリンタのみならず,産業用途や工業用途にまで広がりつつある。9章ではこれらの応用について現状を解説し,インクジェットのもつ別な一面・可能性を示している。
 本書が,インクジェットを初めて学ぶ学生・技術者はもとより,経年の少ない技術者への入門書として,あるいはインクジェット技術者が基礎に立ち返るときの教科書になることを願っている。最後に,本書の執筆・編集にあたり,適切な助言をいただいた東京電機大学出版局の植村氏,浦山氏に深く感謝いたします。
 2008年7月
 藤井 雅彦

著者プロフィール

日本画像学会(ニホンガゾウガッカイ)
藤井 雅彦(フジイ マサヒコ)

上記内容は本書刊行時のものです。

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