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システム同定の基礎

工業・工学

足立 修一(著)

A5判  256頁 並製
 2,700円+税
ISBN 978-4-501-11480-0 C3054
在庫あり

奥付の初版発行年月 2009年09月
書店発売日 2009年09月22日

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目次

第1章 システム同定とは
 1.1 モデリングと制御
 1.2 モデルとは
 1.3 さまざまなモデリング法
 1.4 第一原理モデリングの例—倒立振子
 1.5 システム同定
 1.6 制御のためのモデリングのポイント
 演習問題
第2章 システム同定の手順
 2.1 システム同定の基本的な手順
 2.2 ヘアドライヤーの例題
 2.3 本書の構成
 演習問題
第3章 確率過程の基礎
 3.1 確率と確率過程
 3.2 離散時間不規則信号の平均値と相関関数
 3.3 連続時間不規則信号のフーリエ解析
 3.4 離散時間不規則信号のスペクトル解析
 演習問題
第4章 線形システムの基礎
 4.1 システムの分類
 4.2 LTIシステムの表現
 4.3 スペクトル密度関数を用いた離散時間LTIシステムの表現
 演習問題
第5章 同定実験の設計と前処理
 5.1 プリ同定
 5.2 同定入力の選定
 5.3 サンプリング周期の選定
 5.4 入出力データの前処理
 演習問題
第6章 システム同定モデル
 6.1 雑音を考慮した線形システムの一般的な表現
 6.2 式誤差モデル
 6.3 出力誤差モデル
 6.4 雑音を考慮した状態空間モデル
 演習問題
第7章 ノンパラメトリックモデルの同定
 7.1 相関解析法
 7.2 周波数応答法
 7.3 スペクトル解析法
 演習問題
第8章 パラメトリックモデルの同定
 8.1 パラメータ推定のための評価関数
 8.2 最小二乗推定値
 8.3 可同定性条件
 8.4 推定値の統計的性質
 8.5 パラメトリックモデルのパラメータ推定
 8.6 重みつき最小二乗法
 8.7 最尤推定法
 8.8 予測誤差法
 8.9 状態空間モデルの同定—最小実現
 8.10 データの前処理
 演習問題
 [付録]インパルス応答から伝達関数への変換法
第9章 逐次同定法
 9.1 逐次最小二乗法
 9.2 適応同定法
 9.3 システム同定と適応ディジタルフィルタリングの関係
 演習問題
第10章 モデルの選定法
 10.1 モデル構造の選定法
 10.2 モデルの妥当性の検証
 10.3 ヘアドライヤーの例題
 演習問題
第11章 MATLABを用いたシステム同定の数値例
 11.1 さまざまなシステム同定法の比較
 11.2 逐次パラメータ推定
 11.3 状態空間モデルを用いたシステム同定
 演習問題
第12章 システム同定のシナリオ
 12.1 システム同定のシナリオ
 12.2 まとめ
付録A SITBのiddemo一覧
付録B 便利なMATLABコマンド
演習問題の略解
参考文献
索引
コラム
ミニ・チュートリアル

前書きなど

 1996年秋に『MATLABによる制御のためのシステム同定』を発刊してから10年以上の月日が過ぎた.予想以上に多くの方にこの本を読んでいただいたことに深く感謝したい.この十数年間に,制御工学におけるシステム同定の地位が,理論と応用の両面において少しずつではあるが向上してきた.特に,前著のまえがきで述べた「モデルに基づいたアプローチ」という考え方がモデルペースト制御(MBC:Model Based Control)という熟語に成長し,産業界で受け入れ始めていることは大きな変化である.前著がその一助になったとすれば,それは著者の大きな喜びである.
 前著が企画された経緯の一つに,その当時まだわが国では知名度が低かったMATLABを宣伝する目的があったのだが(おそらく前著はMATLABという名前がついた日本語での制御のテキストの第一号であろう),この十数年間にMATLABはもはや著者が宣伝する必要がないほど有名になり,制御系設計ソフトウェアのデファクトスタンダードになった.MATLABの躍進と歩調を合わせるように行われるMATLAB本体の度重なるバージョンアップに対応して,システム同定ツールボックス(system Identification Toolbox,SITBと略記する)も10年前とは大きく様変わりした.SITBの製作者のLjung教授のバイタリティはとどまることを知らず,システム同定の最新の研究成果がつぎつぎとSITBに組入れられ,iddemoと呼ばれるシステム同定のデモプログラムもますます充実してきた.その反面,残念なことに十数年前とコマンド名が変わったものも少しある.そのため,SITBの進化に歩調を合わすために,前著を改訂する必要が生じてきた.
 2001年から慶應義塾大学物理情報工学科で,3年生向けに「モデリングと制御」という授業科目を担当しており,その教科書として前著を使用してきた.また,1996年頃から現在まで続いている(社)計測自動制御学会の「制御のためのシステム同定」という講習会のテキストとしても前著を利用してきた.前著はどちらかというと企業の技術者向けに,システム同定というモデリングのツールを紹介し,MATLABを使って実問題にシステム同定を適用していただこう,というスタンスで書いたので,大学生向けのテキストとしては理論面で不足している部分があった.そこで,本書ではシステム同定理論の基礎について加筆した.また,システム同定理論の学習を手助けする演習問題も増強した.
 そのため,たとえ手もとにMATLABのsystem Identification Toolbox(SITB)がなくても,本書を通じてシステム同定の基礎を学ぶことができるような構成にした.なお,本書の構成については2.3節で述べる.さらに,コラムやミニ・チュートリアルといった記事を充実させて,理解の助けとした.ただし,演習問題で,MATLABの利用を前提とした問題にはMATLAB(白抜)のマークをつけた.
 本書はシステム同定の教科書であるが,制御という太い幹にリンクしているさまざまな周辺領域(ディジタル信号処理,時系列解析,確率過程,統計,線形システム理論,古典制御,現代制御,ディジタル制御,最適化,そしてもちろんシステム同定など)を俯瞰することを目指して執筆した.古典制御あるいは現代制御を学習した後に,本書の内容を学習することにより,制御工学に対する大局観が得られるものと信じている.
 10年前にはまだ珍しかったLATEXによる組版も,いまでは当たり前のものになってしまった.日々の継続で見ると10年はあっという間に経ってしまうが,現在と10年前の2点で比較すると,いろいろなことが大きく変化している.
 2009年7月
 久喜にて 足立 修一

著者プロフィール

足立 修一(アダチ シュウイチ)

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正誤表

上記内容は本書刊行時のものです。

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