科学技術と教育を出版からサポートする

出版局長だより (第22回)

シアトル・ポートランド旅行記 その4

今日はシアトル南部に焦点を絞ります。
手始めがシアトル・コンピュータ・プロダクツ(SCP)です。

SCPは、シアトル市トゥクウィラ郡インダストリー・ドライブ1114番地(1114 Industry Drive, Tukwila,Seattle、WA)という産業団地の中にあります。ここは、グリーン川のほとりで、この川が北に行くと、デュワーミッシュ水道となってエリオット湾に注いでいます。デュワーミッシュ水道は、シアトルの歴史にとって最も有名な川であす。

シアトルは、発見当時、デュワーミッシュ水道にちなんでデュワンプと呼ばれたこともあります。また真西にはシアトル・タコマ国際空港があります。

1980年に、ワシントン州ベルビュー市8番ストリート10800番地(10800 NE 8th Street, Bellevue, WA)にあったマイクロソフトの本社からは南に15マイル、車で22分程度の距離にありました。インターステート405を南に下るだけなので道順は簡単です。近くに行ってからの方がゴちゃごちゃしていて分かりにくかったです。でも問題なく、工業団地の中に入りました。平屋の建物が並んでいます。大きなトラックやバンや乗用車が何台も停まっていました。ここでティム・パターソンはSCPーDOSを開発したのだなあと感慨深かったです。

ティム・パターソンについては『ビル・ゲイツ Ⅰ』106頁、SCPについては『ビル・ゲイツ Ⅰ』106頁、173頁以降に書いてあります。

ポール・アレンのバルカン財団の本部

SCPは見たので、インターステート5番を一挙に北上し、再びシアトル市内に戻ります。12.6マイル、20分です。途中でポール・アレンのバルカン財団の本部があるので寄ってみました。シアトル市5番アベニューS505番地(505 5th Ave, S., Suite 900, Seattle, WA)。建物の9階にあるようです。写真で見るときれいなのですが、夜はあまり治安の良くない地域のようです。

シアトルは治安の良い地域と聞いていましたが、昔ツアーでシアトルに来ると、毎年必ず誰かが脅かされて金銭をとられているので不思議で仕方がなかったものです。結局は自己責任ですから、よく注意しようと思いました。

アマゾンの旧本社

ここから1.1マイル、自動車で4分ほどの所に、アマゾンの最近までの本社があるので、見に行きました。シアトル市12番アベニューS1200番地(1200 12th Ave, S. Seattle, WA)です。丘の上にある病院だった獲物です。見晴らしの良い所にあります。赤い巨大なビルディングですが、あまり美しいビルではありません。今は再びパシフィック・メディカル・センターという病院に戻っています。現在のアマゾン本社はシアトルのダウンタウンに近い地域に移っています。その事はまた、後で述べます。

セント・ニコラス・スクール

1971年、男子校のレイクサイド・スクールは、女子校のセント・ニコラス・スクールと合併しました。セント・ニコラス・スクールは1926年シアトル市イースト10番アベニュー1501番地(1501 10th Avenue East, Seattle, WA)に移転して1971年まで同じ場所にありました。今も建物はそのままで残っています。

セント・ニコラス・スクールは、裕福な家庭の子女向けの厳格な女子校でしたが、1960年代に入ると、時代の風潮が変化し、喫煙やアクセサリーの着用をめぐって生徒と学校側の対立が激しくなり、また1960年代後半からはレイクサイド・スクールとセント・ニコラス・スクールの生徒同士が交流するようになりました。1970年には長く続いた制服も廃止されました。志願者も減ったためにレイクサイド・スクールと合併することになりました。

男子校と女子校の合併には直接の問題はありませんでしたが、、シアトル北部とシアトル南部に物理的に7.6マイル(12キロ)離れていた事が時間割作成を難しくしました。生徒の移動に時間がかかったからです。また人数のバランスの問題や、選択条件の問題もありました。時間割作成は手作業で作られていましたが、非常に難しく手間のかかる問題で、コンピュータで自動的に作成できる事が求められていました。ビル・ゲイツはこのプログラムを作成する事を求められたが、最初は一応は断わりました。問題の難しさを知っていたからです。
結局はビル・ゲイツは時間割作成を引き受けます。

セント・ニコラス・スクールは赤い煉瓦のいかにも女子の宗教学校だったような趣のある建物です。この話は、『ビル・ゲイツ Ⅰ』30頁に書いてあります。

ワシントン湖周遊

次にワシントン湖周遊に行きました。色々な所から船は出ているのですが、自動車を駐車場に置いて乗船しなければならないので、安全なワシントン湖東岸のカークランド市カークランド・アベニュー1番地の(1 Kirkland Ave. Kirkland, WA)のカークランド・ドックから乗船することにしました。アーゴシー・クルーズという会社のやっているカークランド・レイク・クルーズという周遊ツアーに参加しました。出発は13:30で、かなり前の12:00に着いたので、時間を無駄にしたかなと思いましたが、そうでもありませんでした。駐車場が狭く、間際についたのでは駐車できなかったからです。自動車の中でサンドイッチを食べて昼食にしました。

レディ・マリー号という船で30分前から乗船できました。1人61.38ドルで高いのか安いのか分かりません。

この周遊はビル・ゲイツの家や、チャールズ・シモニーの家、スコット・オキの家が湖側から見れるというのがセールス・ポイントだと思います。近寄ってしばらく止まってくれました。私にとってはハンツポイントのスコット・オキの邸宅が見えたことが良かったと思います。肝心のビル・ゲイツの木造の大邸宅ですが、木造建築に関しては日本で見慣れているせいもあって、あまり感心しませんでした。

ツアーの人があくびをしたり、眠ったりしているのを見ると、それほど印象的な邸宅ではなかったと思います。ビル・ゲイツ夫妻は何年にも渡って注文を出し続けたのだそうですが、建築家に任せてしまった方が素敵な建物ができたと思います。中の様子も色々な文献で知ることができますが、家の中でトランポリンができたり、室内プールで水中音響を楽しめたり、家の壁の映像が次々に変わったり、何百人ものディナー・パーティが開けたり、ガレージに何十台もの自動車が収容できたりと、素晴らしい邸宅ではありますが、住みやすい家とは別のような気がします。

どのくらいの人数のサポート要員が必要かと想像すると、大変だろうなと思います。
チャールズ・シモニーの邸宅も、奇をてらった建物だとは思いましたが、それほど感激はありませんでした。ただし私の個人的な感想です。

それよりワシントン湖は広く、風が爽快でした。1時間半ほどの周遊だったと思います。

クイーン・アン高校

ワシントン湖周遊が終ると、シアトル南部の目標を2つほど見ておこうということになりました。ゲアリー・キルドールは、シアトルのゲイラー・ストリート201番地(201 Galer Street, Seattle, WA)にあったクイーン・アン高校を卒業しました。そこへ行ってみようと思いました。
カークランドから11マイル21分程度です。クイーン・アン地区は高台にあることは知っていましたが、近づくと登り坂がきついのには驚きました。石造りの非常に立派な作りの建物でゲアリー・キルドールの若い頃の経歴からみると、似つかわしくないような気さえしました。

もっとも現在は元の公立高校は移転し、建物はコンドミニアム・マンションになっているのだそうで、それで整備されているのかもしれません。シアトルの史跡の一つになっています。ゲアリー・キルドールとクイーン・アン高校については『ビル・ゲイツ Ⅰ』145頁に書いてあります。

初代ウィリアム・H・ゲイツのいた場所

1900年の人口統計調査では、初代ウィリアム・H・ゲイツゲイツは、ワシントン州キング郡シアトル市ワード・ストリート9番地(9 Ward Street, Seattle, King County, WA)にいた事になっています。初代ゲイツ夫婦は1888年に結婚し、1889年に長女が産まれ、1891年にウィリアム・H・ゲイツⅠ世が生まれ、1895年に次女が生まれました。子供達はワード・ストリート9番地で生まれたようです。ここは不思議なことにクイーン・アン高校から数百メートルしか離れていません。両家ともアラスカの金鉱掘りに関係していたことといい、ビル・ゲイツ家とゲアリー・キルドール家の奇妙な因縁のようなものを感じます。実際に行ってみると、ふつうのアパートのような家が建っているだけで何も昔の雰囲気を感じさせるものはありません。

アマゾンの現在の本社

アマゾンの現在の本社は、米国証券取引委員会(SEC)への有価証券報告書にもあるように、シアトル市テリー・アベニューN410番地(410 Tery Ave. N. Seattle, WA)にあります。アマゾンは市には黙って、あまり評判のよくなかった地域に大規模な本社機構の移転をしました。数万人の社員が移ってきて、再開発にもなるのだからと、シアトル市に住宅用アパートの大増設を要求しているのだそうです。相変わらずジェフ・ベゾスはちゃっかりしているなと思います。現在の本社は、雑誌記事で見るほど、ぱっとした建物ではありません。しかし、この周辺地域ではアマゾン移転による不動産の値上がりを見込んだ大再開発ブームが起きています。あちこちで工事をしているので、大渋滞が起き、通り抜けが大変です。ここでベルビューに戻るルートとして、マーサー・アイランドを選びました。

マーサー・アイランド

マーサー・アイランドは、ワシントン湖にあり、シアトルのダウンタウンとベルビューの間にあります。ここにはポール・アレンの家が2つ、ポール・マリッツの家があることが分かっています。ポール・マリッツの1軒の家は、ワシントン州マーサー・アイランドW6451番地( 6451 W Mercer Way, Mercer Island, WA)、ポール・マリッツの家はウェスト・マーサー・ウェイ7231番地(7231 W Mercer Way Mercer Island)にあります。シアトル市ワード・ストリート9番地からマーサー・アイランド西南岸のポール・アレンの家までは11.9マイル、自動車で23分です。島の中の狭い道をたどって行ましたが、結局、住所表示も出ておらず、門があって近寄れませんでした。欲張らないことだと、あきらめてベルビューのレッドライオンに戻ることにしました。

ジャック・ダニエルのお肉のレトルト食品という日本では見たことのない不思議なものをセーフウェイで買って冷蔵庫にしまってあったので、レンジで暖めて、果物や野菜を添えて夕食としました。また今日もくたくたで、バタン・キューと眠ってしまいました。

(続きます)